「こんなのあり?」

画像の説明 シンガポールの装甲車 演習後に香港で差し押さえ

台湾で行われた軍事演習に参加したシンガポール軍の装甲車が、去年11月、本国に輸送される途中で経由地の香港の税関当局に差し押さえられたあと返却されないままとなっていて、シンガポール政府が香港側に書簡を送り、返還を要請する事態となっています。

シンガポール陸軍の装甲車9台は、台湾で軍事演習に参加したあと、去年11月、民間の輸送船で本国に輸送される途中、経由地の香港の税関当局によって差し押さえられ、1か月以上がたった今も返却されていません。

香港当局は差し押さえの理由を明らかにしていませんが、中国外務省は差押えのあとの記者会見で「シンガポール政府に対し、1つの中国の原則を守るよう求める」として、シンガポールが台湾で軍事演習を行ったことに不快感を示したため、中国政府の意向が働いたとの見方が出ています。

これについてシンガポールのウン国防相は9日、議会で「国家の所有物を外国が差し押さえることはできないという原則に反する」と述べたうえで、リー・シェンロン首相が香港の梁振英行政長官宛てに装甲車の返却を求める書簡を送ったことを明らかにしました。

シンガポールは70年代から軍事演習の一部を行うなど、台湾と一定の関係を維持してきましたが、今回の事態に東南アジアへの影響力を強める中国がどのような対応をとるかが、今後の焦点となります。
香港税関当局「提供できる情報ない」

シンガポール政府が書簡で装甲車の返還を要請したことについて、香港の税関当局はNHKの取材に対し、今も装甲車を倉庫で保管しているとしたうえで、「案件は調査中のため、提供できる情報はない」としています。

香港の税関当局は先に、「一般論として、一部の軍事物資などいくつかの戦略的な物品については、香港を経由するだけの場合でも許可証が必要だ」とする声明を出しています。

中国外務省「香港当局が処理している最中」

シンガポール政府が香港当局に書簡を送り、装甲車の返還を要請したことについて、中国外務省の陸慷報道官は9日の記者会見で、「装甲車の問題は、現在、香港当局が法やルールに基づいて処理している最中だ」と述べ、香港当局が対応していくと強調しました。

コメント


認証コード2006

コメントは管理者の承認後に表示されます。