「チャイハラ」

画像の説明 ほら、やっぱりきたよ。

米軍の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備にカンカンに怒っている中国が、韓国への嫌がらせを始めたようだ。

海外メディアによると、韓国から中国へのビザの発給に遅れが出ているほか、韓流スターらが干し上げられる可能性が出てきた。今のところ、あからさまな「経済制裁」とは異なり、地味にチクチクといたぶるような責め苦のよう。

自国に不利益な外交問題が起きるたびに、抗議デモや不買運動で日米に圧力をかけるのは中国のお家芸だが、蜜月・韓国もチャイナ・ハラスメントの標的から逃れられないのか。

「どないしてくれるんや」…韓国に詰め寄る中国

中国の機嫌を大いに損ねたTHAADの配備決定。7月24日のラオス・ビエンチェンでの中韓外相会談では、王毅外相から「信頼を損ねた」「どんな実質的な行動を取るのか」と高圧的な態度でジャブをくらい、中国の怒りっぷりに韓国内には焦りが出てきた。

中韓関係に亀裂を入れたことで、どんな“報復”がくるのかと戦々恐々だ。

中国の嫌がらせに経験豊富な日本の近年のケースを振り替えると、「これが報復です」と宣言して、しかけてくることはない。

貿易や税関など、あちこちでトラブルが頻発するが、中国政府は指示を否定。そんな状態が繰り返され、「やっぱり報復やないか…」と思い知らせる巧妙な手口だ。

地方役人や企業幹部が政府方針をそんたくした結果、嫌がらせに至っている可能性もある。  

日本にはレアアース止め、邦人拘束、デモで責め苦

2010年9月の尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖での中国漁船衝突事件では、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が同月22日、中国が日本へのレアアース(希土類)輸出の停止に踏み切ったと報じたが、中国側はこの報道を否定。

一方、日本政府には、商社大手から「通関手続きが滞っている」との情報が多数入っていた。

さらに中国は同月23日、旧日本軍が中国に遺棄した化学兵器の処理施設建設事業の入札参加に向けた視察に来ていたゼネコン準大手の日本人4人を拘束し、取り調べしていると発表。

「河北省の軍事管理区域に侵入し、許可なく撮影した」というのが理由だったが、中国漁船の船長釈放を要求する強いメッセージだった。

24日には漁船衝突事件で勾留されていた中国人船長の釈放が決まった。

2012年9月の尖閣諸島の日本政府による国有化では、中国各地で反日デモが激化。日系企業への破壊、略奪が相次ぎ、不買運動に手をやいた。

最近では、南シナ海での中国の主権を認めなかった仲裁裁判所の判断が出てから、中国にある米系の「ケンタッキー・フライド・チキン」(KFC)の店舗に抗議活動の集団が押し寄せた。

ビザが出ない?

中国・ロシアの安全保障の琴線にふれるTHAADの配備方針を決めたのだから、韓国が嫌がらせを受けないわけがない。

聯合ニュースは8月3日、旅行業界関係者の話として、中国が韓国人に対し、一定期間内なら何度も入国可能な数次商用ビザ(査証)の発給を事実上、制限していると報じた。

中国大使館がビザ申請を代行する韓国の業者に対し、ビザの発給要件の厳格化を伝えたとされる。これまで、提出がおおめに見られていた中国企業からの招聘状が発給条件として不可欠になる方向で、韓国内では、「数次商用ビザの発給の事実上の中断」との声があがっているという。

これが現実になれば、中国に現地法人を持っている大企業は、そこから招聘状を出せばいいので、影響は小さいとみられるが、何度も中国に渡る必要のある中小のビジネスマンらの負担が大きくなる恐れがある。

一方、中国大使館は、「発給中断は事実無根、ビザ発給の手続きにも変動がない」とし、韓国外交部も「事実無根」としているという。どうなっているのか。

韓流スター「干し上げ」の恐れ

ネット上で注目を集めているのが、韓流スターへの波紋だ。

中央日報(日本語電子版)は8月4日、韓国ドラマの主演スターらが北京で6日に開催を予定していたファン集会が突然延期になったと伝えた。韓国・スポーツ紙の取材に制作会社側は「『不可抗力的な理由』で中心になった」との通知を受けたと答えたという。

朝鮮日報(同)も4日、中国ドラマで、韓国人女優が降板する可能性が高くなり、その場合、中国人女優に変更されるとみられると報じた。

中国共産主義青年団の機関紙は、韓流スターの干し上げられた例はないと否定しているが、韓国ドラマの放送や韓国人俳優・女優の起用がなくなるのではないかとの懸念は払拭されていない。

握られる弱みを減らす努力

韓国は映画やドラマを輸出するコンテンツビジネスに力を入れており、お得意さまの中国から締め出されると韓流ブームは冷や水を浴びる。

韓国は経済的に中国との関わりが強く、対中依存が大きい。それだけに、これからの中国からの本格的な報復に身構えている。

日本は2010年、中国からのハイブリッド車の生産に欠かせなかったレアアースを輸出制限されたことを教訓とした。

レアアースを使わない新技術の開発に民間企業が取り組み使用料を減らすとともに、調達先を広げ、中国に握られる弱みを克服してきた。

チャイナハラスメントに韓国はどう応じるのか。いいなりになれば、中国はさらに足元をみてくるだけなのだが…。

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