「大人の女性と器の小さなおっさんたち 」

画像の説明 小池新知事は初登庁後に早速都議会にあいさつ回りに行ったが、都議会自民党の対応はなんともみっともなかった。

相手がにこやかにあいさつしているのに、大の男が感情を抑えられなくてどうするのだ。

都議会の議長(自民)が「知事と議会は両輪です。一輪車にならないように」と報道陣の前で言ったのはまあいい。しかし、一緒に写真に写ることを拒否した時の態度やセリフについ感情が出てしまったのはかっこ悪かった。

小池氏自身が「戦闘服です」と言っていた緑色ではなく、ブルーオーシャンをイメージした青い服を着てノーサイドを演出しているのだから、負けないような笑顔で応じればいいのだ。一輪車云々もその雰囲気の中で言えばピリッと効いたいいセリフなのに。

さらに自民党控室にはナンバー3しかおらず、しかも「たまたま、ここにいたので(対応した)。それ以上のものは何もない」とわざわざ言った。

彼らはこの様子をテレビで見た視聴者がどう感じるのかの想像力があまりにも欠けている。

選挙が終わり服装も表情も切り替え、ごく自然な雰囲気であいさつに表れた初の女性都知事と選挙に負けた悔しさを隠しきれずに意地悪をしている男たち。それでも表情は変えず、にこやかにその場を立ち去る小池氏。

テレビにどう映るかを意識している元キャスター小池氏と惨敗をまだきちんと受け止められないおっさんたち。そういう構図を見た多くの都民は小池氏を選んでよかったと思ったのではないか。

一方、安倍総理は増田氏の応援演説にいかないなど、小池氏勝利の可能性も視野に入れていた。小池氏もそれを感じて自民党本部への直接的な批判は避けてきた。どちらも選挙中から選挙後を考えた対応をしてきたのである。

安倍総理と小池知事の会談がずいぶん早く実現したのも、そういう背景があるからだろう。

【安倍・小池会談】

「都知事選では一本取られました」安倍晋三首相が小池百合子知事に“白旗”まずは融和から?

安倍晋三首相は4日午前、東京都の小池百合子新知事と官邸で会談し、約4年後に迫った2020年東京五輪・パラリンピックの成功に向け、政府と都が緊密に協力する方針で一致した。

小池氏が7月末の都知事選で自民党都連と対立した経緯を踏まえ、党総裁として関係修復を図った格好だ。首相が知事就任後の小池氏と会談するのは初めて。

会談で首相は、小池氏が与党推薦候補を大差で破った都知事選について「一本取られました。五輪成功へ協力してほしいというのが民意だ」と強調した。小池氏は「しっかり連携させてほしい」と応じた。

都連の連中も「一本取られました」くらい言っておけばよかったのだ。安倍総理がこう言うだけでこの会談の目的は達成された。与党の総裁と新知事がしっかり連携することを再確認したのだから、後は関係部門がその意図に沿って動けばいいのだ。

これで、小池氏の処分もなくなったはずで、あっという間に一見落着である。もちろん、そのために安倍総理は手を打っていて、その一つが丸川氏を横滑りさせて、特に問題なくやっていた遠藤五輪相と敢えて入れ替えたことだ。

託した「百合子対策」

「五輪相には心機一転、東京選出の丸川(珠代)大臣にお願いします」

3日夜、第3次安倍再改造内閣を発足させた後、首相官邸で記者会見に臨んだ首相の安倍晋三は、4年後の東京五輪・パラリンピックに向けた決意を口にした。

3日前の7月31日、五輪の舞台となる東京都には新たなトップが誕生していた。自民党と“決別”して都知事選に勝利した元防衛相の小池百合子だ。小池は、膨張した五輪予算の適正化を掲げ、選挙戦を勝ち抜いた。

元首相で東京五輪組織委員会会長の森喜朗との不仲も伝えられる。東京五輪成功の鍵は、両者の間に立つ五輪相が握るといっても過言ではない。

丸川の所属する細田派は、森がかつて領(りょう)袖(しゅう)を務めた縁がある。安倍は「機転が利く」とされる丸川にその重責を担わせる白羽の矢を立てた。

安倍は記者会見で東京五輪について、こう述べた。「必ず成功させないといけない。丸川五輪相を筆頭に東京都、都民と力を合わせる」

「心機一転」という言葉に総理の考えがよく表れている。丸川氏に森元首相と関係が良くないと言われる小池氏との間に立って調整させようというのだ。

ただ、そのためには知事選で小池氏を厳しく批判していた丸川氏と小池氏の関係を先に修復しておく必要がある。

そして、その意図を十分に理解していた丸川氏は組閣のために官邸に呼びこまれたときには、初登庁日の小池氏と同じブルーの服を着ていた。

テレビを見ていた妻はすぐにこれに気付いた。都知事選では小池氏を激しく批判した丸川氏が口だけではなく服装でもメッセージを送ったのではないかというのだ。それなら、小池氏はそれに気づいたはずだ。

男の私とは見るところが違うのである。
もちろん、丸川氏は言葉でも連携をしていくことを明言している。

【内閣改造】
丸川珠代五輪相、小池百合子都知事と関係修復へ「何でもやる」

丸川珠代五輪相は3日夜の初閣議後の記者会見で、2020年東京五輪・パラリンピックに向けた小池百合子東京都知事との連携について「大会成功のため、できることは何でもやっていきたい」と述べた。

丸川氏は、保守分裂選挙となった都知事選で、小池氏を「チームプレーができない」などと批判していた。ただし、この日は東京五輪の成功に向け、小池氏との関係を修復する姿勢を強調。自らが「チームプレー」に徹する考えを示した格好だ。

丸川氏は5日に開幕するリオデジャネイロ五輪開会式に出席する予定だ。会見では「リオの人たちはお祭り上手な印象がある。五輪に向けた機運を醸成していく上でどのようなことが参考になるのか見てきたい」と語った。

丸川氏は認証式には美しい和服姿で臨んだが、その後の記者会見でもやはりブルーの服を着ていた。認証式では高市・稲田両氏が申し合わせたようにブルーの服だったのは偶然かもしれないが、みんなで小池氏に連帯のメッセージを送っているようにも見えた。

小池氏は都知事選で丸川氏が自分を激しく批判したことについて記者に聞かれ「よく存じておりませんが、それぞれ立場もあるんでしょう」と受け流している。まさに大人の対応であり丸川氏もそれにこたえているのである。

オリンピック・パラリンピックを成功させるには都、政府、そして森元首相が会長を務める組織委員会の連携が重要だ。後は小池氏との関係がよくないと言われる森会長がどんな大人の対応を見せるかである。

現在ブラジルにいて彼女たちと顔を合わせられない森氏は、小池氏とうまくやれるかとの問いに対し「小池さん次第」と答えている。

小池新知事に「よく勉強して頂きたい」 森喜朗氏

2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は1日、ブラジル・リオデジャネイロで報道陣の取材に応じた。

東京都知事に当選した小池百合子氏が、膨張する大会開催費用を検証する考えを示していることについて、「全体をよく見て頂きたい。(当初構想にあった)コンパクトな8キロ圏内での開催は大変お金がかかる。我々も施設を削減してきた。よく勉強して頂きたい」と注文をつけ、「都議会とは互いに協力してほしい」と述べた。

一方で、閉会式に参加する予定の小池氏を「一躍、ヒラリー(・クリントン)さんより人気者になるかもしれないな」と持ち上げる場面も。

新知事とうまくやっていける自信があるかと問われると、「まあ、小池さん次第ですね。私は奉仕のつもりでやっている。それをおくみ取り頂けなければ、うまくいかない」と述べた

さすがに、自民党都連の連中より大人である。「よく勉強して頂きたい」「都議会とは互いに協力してほしい」など上から目線の感はあるが、政治家として大先輩、首相経験者なのだからこれくらいは当然だろう。

そして、リオで小池氏と丸川氏が揃ってあいさつに行けば、大先輩としてさらに大人の対応をせざるを得なくなる。

小池氏はそれに気づいたはずだ。安倍総理はそういう人事をしたのである。

今回の知事選がらみで大人の対応ができずにみっともない姿をさらすのは都連自民党だけで十分である。

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