「怯え」

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7月24日、中国の王毅外相はラオスの首都ビエンチャンで、韓国の尹炳世外相と会談し、THAADの韓国配備方針決定について「双方の信頼を損ねた。残念に思う」と述べ、中韓関係悪化を防ぐため「(韓国が)どのような実質的な行動を取るのか聞たい」など配備に反発しています。THAADの韓国配備を中国が嫌がっていることについては、これまで散々取り上げてきましたけれども、ここのところの中国のTHAADを配備させまいとする動きはちょっと異常ですね。中韓外相会談が行われたラオスでは、ラオス・ビエンチャンASEAN地域安保フォーラム(ARF)閣僚会議が行われていたのですけれども、その議長声明を纏める際に、「一部の国が執拗にTHAAD配備を非難する文面を含めようとした」と述べていますから、あらゆるところで批判しているということです。
そして、中国はTHAAD配備を牽制するための軍事演習まで行っています。7月19日、中国海軍網は黄海と渤海湾海域で大規模な実戦演習を展開したと伝えています。この演習では、無人偵察機と戦闘機、空中給油機など、中国海軍は航空部隊に所属する12機種、41機の戦闘機が参加していますけれども、これは中国海軍が保有するほぼ全ての機種だそうです。演習は深夜まで10時間以上にわたり続き、主力戦闘機「殲」の編隊が赤軍と青軍に分かれ、敵を壊滅させる演習、早期警戒機が戦闘機編隊を支援する演習、夜間には超低空飛行で敵方の目標を攻撃する演習も行われたようですから、要するに、全力で叩き潰すという意思表示ですね。実際、中華圏メディアの多維新聞網は「開戦を仮定した状況で韓国のTHAAD基地を優先的に無力化させる演習を行った」と伝えていますからね。実に分かり易い反応です。韓国国防部によると、THAADは韓国の南東にある慶尚北道星州に配備するようです。ここは人口約45000人の農村地帯で、ソウル市から200Km以上離れています。無論、中国やロシアからも遠い位置にあり、思いっきり"配慮"している訳です。それでも中国の怒りはまるで収まらず、あの手この手の嫌がらせを始めています。新華網、中国中央テレビなど官営メディアは、韓国製化粧品が検疫で不合格になるケースが続出しており、不良密輸品が増加しているなどと相次いで伝えていますし、人民日報は7月28日「THAADが韓国にとって厄介な問題に」という記事で「韓国の野党は声明やSNSを通じて、青瓦台の『独断専行』を『大変遺憾』とするとともに、THAAD配備は得るものより失うものが遥かに大きいと指摘した。韓国政府は民衆を落ち着かせ、説得しようとしているが、大きな効果は上がっていない。民衆の怒りの炎の中、韓国にとってTHAADは厄介な問題となっている」と批判しています。一方、肝心な、THAAD配備の現地である地元星州住民は設置に反対しているそうです。その理由は次のとおり。
1. 発表の前に地元に連絡がなか2. THAAD設置場所は、配備に対する中国やロシアの攻撃対象になる3. 他の場所と比較して最適地というが、比較の根拠を提示すべき4. THAADの電磁波が健康被害を発生する、農作物をだめにするのではという懸念がある
なにかどこかで聞いたような理由です。特に2などは、日本のサヨクな人々が主張する理由と同じですね。まぁ、ここまで中国の裏工作が入っているかどうかは分かりませんけれども、あの国ならやりかねない。しばらくはTHAADを巡って、中国による韓国苛めが続くように思いますね。

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