「アメリカ特殊部隊」

画像の説明 2月10日、政府は国家安全保障会議の閣僚会合を開き、北朝鮮の長距離弾道ミサイルの発射を受けて、在日外国人のうち核やミサイルに関連する技術者の再入国の禁止など人の往来を巡る規制の強化や、人道目的を含むすべての北朝鮮籍船舶の入港禁止などの日本独自の制裁を強化を決定しました。

制裁の具体的内容については割愛しますけれども、要は人と金の流れを断つ兵糧攻めですね。まぁ正直言って、どこまで効果があるのか分かりませんけれども、今の日本ではこれくらいが限界ではないかと思いますね。

これに対して北朝鮮は拉致再調査中止を表明しましたけれども、あまり日本の事を相手にしていない印象を受けます。

「北朝鮮のミサイル発射について」のエントリーでも述べましたけれども、やはり北朝鮮の視点はアメリカを向いているように見えます。

2月9日、アメリカ戦略軍と韓国国防省は、今回の北朝鮮のミサイルが2012年12月の前回発射時と形状や軌道が一致するとの解析結果を明らかにし、2つのミサイルはともにテポドン2号の改良型との見方を強めています。

アメリカ国防総省のクック報道官は「現時点で明らかに前回と違う点はない」とコメントしていますけども、弾頭に搭載可能な重量が増えたとの見方もあり、予断を許しません。

一番、警戒されているのは、やはり射程で、大気圏内に再突入したと仮定した場合の射程を「1万2千キロメートル程度」と見ているようです。これは、サンフランシスコやロサンゼルスまで届く距離ですからね。アメリカとしても無視できなくなってきます。

この北朝鮮の動きに対して、アメリカが金正恩の暗殺に動きだしたという情報が飛び交い始めました。

韓国国防省は半島有事を想定した米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ」を3月7日~4月30日にかけて実施すると発表していますけれども、アメリカ軍は既に第1空輸特戦団や第75レンジャー連隊所属の特殊戦兵士を韓国入りさせました。

更に海軍特殊部隊のネイビーシールズも韓国で訓練を始めているようです。

こうしたことから、米特殊部隊による「金正恩暗殺計画」が囁かれ始めたという訳です。

一見、アメリカの特殊部隊が動くのならば、なんとかなるのではないかと思えなくもないのですけれども、事はそう簡単ではありません。

2013年にアメリカ陸軍特殊部隊グリーンベレーが韓国軍とともに北朝鮮に潜入し、反政府ゲリラを組織する想定で合同演習を行ったのですけれども、その演習に参加した2人の大尉が次のような指摘をしています。

1.北朝鮮では対空火力の脅威が大きいので、Aチームがヘリコプターで移動できるのは、北朝鮮へ潜入する際の1回に限られる。

2.朝鮮人民軍には通信を傍受する能力があるので、Aチームは上級部隊の指揮を受けることができず、独立して行動しなければならない。

3.隠れ場所のない禿山が多いので、移動は夜間の徒歩に限られる。そのうえ道路が少ないので、政府側は1カ所の検問所で広い地域を統制できる。

4.敵と接触した場合、砲兵と航空機の火力支援も、地上の即応救援部隊も、直ちには期待できない。

5.負傷者をヘリで移送できないので、できるだけAチームが治療し、秘密裏に移送しなければならない。
この指摘が事実であれば、隠密裏に特殊部隊を投入しても成功するかどうかは読み切れません。少なくとも、金正恩の位置を正確に掴んでおかないと厳しいと思いますね。

やるなら、寧ろアメリカお得意の空爆を徹底的にやってから、突入させた方がまだ確率が上がるかもしれません。或は、対空火力が届かない高高度に飛ばした輸送機から、小型爆弾を搭載したドローンを多数ばら撒いて、輸送機から遠隔操作して潰していくとか、そんな感じになるかもしれません。

ただ、普通に考えれば、そんな特殊作戦を実行するなんて、事前に漏らす馬鹿はいないですからね。それが今の段階で金正恩暗殺云々が囁かれる時点で、近々にはないと見てよいと思います。

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