「臨時収入」

画像の説明 自宅の駐車場を1日単位で貸し出すシェアサービスが、首都圏を中心に広がりを見せている。

都心や観光地では駐車場が見つからないことも多いが、事前に駐車場が確保できるとあって利用者も増加。新しいサービスだけに、思わぬトラブルへの心構えも必要だ。

東京ディズニーランドまで歩ける場所にある千葉県浦安市の住宅街。数年前に車を手放した60代の女性はこの秋、自宅の駐車場を貸し始めた。1カ月で利用が3件あり、計数千円の収入になった。「思ったより利用者がいて驚いた。臨時収入になりました」

一方、ディズニーランドを訪れるために使った男性(38)は「渋滞に巻き込まれないし、料金も安かった」。園内にも駐車場があるが、閉園時間には周辺の道路が大渋滞する。

仲介したのは、今年10月にシェアサービスに参入したばかりの「トメレタ」(東京都新宿区)。運営する松橋淳人社長は「眠っている駐車場は多い。貸す側と借りる側、双方にメリットがある仕組みだ」と話す。

家や店で使っていない駐車場を貸すこうしたシェアサービスの特徴は、インターネットでの簡単な手続きと、使っていない時だけ貸せる気楽さだ。

貸す側は運営会社のサイトを通じて場所や料金、日付を入力。車の不在時や店の定休日だけ貸すことも可能だ。利用者側は希望の場所や日付で検索。気に入ったものが見つかれば、氏名や連絡先などを入力し、クレジットカードで料金を前払いする。運営会社は手数料を取り、残りは貸し手の収入になる。

2012年に他社に先駆けて始めたのが「軒先パーキング」(東京都目黒区)。野球場やコンサート会場周辺などを中心に、全国約700カ所に拡大した。西浦明子社長は「コインパーキングと違い事前予約できるのが好評」という。コイン式に比べて料金が安い点も人気の理由という。

ログイン前の続き全国3500カ所でサービスを展開する「アキッパ」(大阪市)。金谷元気社長は「利用が増え駐車場が足りない」。1年後に1万カ所の確保を目標とし、都心など好立地での勧誘に力を入れるという。

■「契約はあくまで個人対個人」

利用者が戸惑うケースもある。最も多いのは「止める場所がわからなかった」というものだ。

各サイトでは駐車場の地図や外観写真を載せているが、住宅だと路地などでわかりにくいことも多い。アキッパは7月から、駐車場に緑色のコーンを設置し、わかりやすく改善した。他にも当日現地に行って「狭過ぎる」「路面がデコボコ」などという苦情が寄せられることもあり、各社とも対応に頭を悩ませる。

貸す側にとって心配なのは駐車場での事故だ。特に一般住宅では壁や門など家の一部が傷つく可能性もあるが、各社とも「一般の事故と同じく運転者が保険で対応する」。緊急連絡の専用電話を設けたりしているが、最終的な対応は当事者任せなのが現状だ。

どんな点に気をつけるべきか。全国消費生活相談員協会の増田悦子専務理事は「サイトを通じた利用でも、契約はあくまで個人対個人。最終的には自分の責任で解決するという心構えで利用するべきだ」と話す。

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