「許せない悪行」

画像の説明 13日にパリで起きた同時テロは、欧州では最大規模であることから、犯行声明を出した過激派組織「イスラム国」が周到な準備を行ってきたことがうかがえる。

シリアやイラクで劣勢に立たされる中、過激派は2001年の米同時テロに代表される国際テロに軸足を置く動きを強めている。

14年に急速に勢力を拡大した同組織はこれまで、その名が示すように、国家権力が弱体化したシリアやイラクの権力空白地帯での「建国」を重視してきた。

しかし、シリアでは米軍主導の有志連合に加え、9月末にはロシアもイスラム過激派を標的とする空爆作戦を開始。イラクでも有志連合の支援を受けたクルド人部隊などが攻勢を強め、同組織は支配地域を縮小させた。

「イスラム国」を支えてきたのは、世界中から集結した数万人規模のイスラム過激派だ。しかし、シリアの同組織支配地域に隣接するトルコが国境警備を強化したことで、越境は困難になった。

「イスラム国」指導者のバグダディ容疑者は今年5月、音声メッセージを通じ、世界各地のイスラム教徒に「イスラム国」への移住を求める一方、移住できない人々には「どこであろうと、武器を手に取れ」と訴えた。移住が困難になった過激派が域外での国際テロに転換するのは、指導者の意向に沿う形でもある。

同組織は最近、10月31日にエジプト東部シナイ半島で起きたロシア旅客機墜落(乗客乗員224人死亡)で犯行声明を出した。墜落は爆破テロであった可能性が濃厚との見方が強く、事実ならこれも国際テロ傾斜を強めている兆候と言える。 

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