日銀政策のもたらす、国債破綻orハイパワインフレの今日的問題

画像の説明 いままで、幻でしか無かった、国債破綻劇の内容

・ いままでに言われてきた国債破綻説は、「日本の莫大な資産規模」という前提を考えていなかったため、その諸予想は全てはずれ、凡そ、「国債破綻説」を言う人は、机上の空論や、実務の劣った人達であるとされてきた。

・その論拠が、国債残高が1000兆円に達した現在、資産と負債のバランスが崩れ、「政府に支払能力が無い」といった流言飛語により、一気に国中の国債が売られるといった不安を単に煽る程度のものであった。

・実際その様な不安に付け込んで、嘗て、何度か、外資系ファンドを中心に、日本の国債売りを仕掛けたことがあったが、彼らの運用できる資金力は数千億から数兆程度であり、日銀の運用資金力とそれを支持する、市中の余裕資金は、雄にそれらの桁を1つも2つも超越するものであり、余りに一方的な日本側の勝利が継続しており、そろそろ、その単純なやり口と、日本国内の国債資金の安定性に対する評価が変わってきたと言われている。

・さらに、黒田総裁による異次元緩和により、長期国債金利水準が、嘗ての、数パーセント域から現状0.3%位と受給環境から極端に低位に安定しているため、「机上論的に、国債の安定性が十分に異次元緩和後、担保されている」といった一般論により、破綻の可能性について論じる側の論拠を喪失させてきた。

今日は、量的緩和という手法の一環で、日銀が行っている異次元緩和の、日銀側の目標と、国民の側の錯覚、それに、その政策の結果起こりつつある諸問題の項目程度まで書きます。

量的緩和を最初に行ったのは、米国のFRBで、その主な目的が、ABS(住宅担保系証券)というサブプライムローンの問題とその後のリーマンショック及びその後の金融収縮の結果、米国内の金融機関にばら撒かれた、焦げ付き負債を回収処理することが最大の目的でした。

これと同時に国債を買い入れ、ドル安下での企業競争力の蓄積等も目標でしたが、物価は、2009年のマイナス圏後翌年2010年には、1.6%以上に回復しており、もともと長期に量的緩和を物価上昇目標のために使ったとはいえないと思います。その証拠に、ABSを回収し終わった翌年の13年度には、早くも出口に取り掛かっています。

量的緩和の特徴として、明確に、自国通貨安による株価対策と米国の場合は新興国へのドルの輸出で世界経済を支えたという点がありました。

しかし、実態としての「コア」インフレ率の推移は、日本に置ける例から、明らかに自国通貨安等のため、長期的なインフレどころかデフレ傾向に揺り戻しがあることがしれてきていおり、これが実態経済にとってマイナス面が多いため極力回避すべきというメッセージとなっています。

そのため、ECBでは、「口先の株価対策」を匂わせて、「量的緩和の準備はできている」と言いつつも、実際、全く、やろうとしません。

世界中を探しても、まだ、「本気で量的緩和でインフレ化できる」と信じているのは、日銀の審議委員だけとも言って過言はないでしょう。

では、なんで、そんな暴挙がまかり通るのでしょうか。それは、国民の関心の薄さとそれからくる、日銀政策に対する大きな認識の誤解があるため、批判がでないことに由来しています。

もとは、安部首相自身も、この認識の誤りを持っていたことを、自らの会見で明にしたことさえあります。

つまり、「緩和処置とは、国債買い入れの対価として、日銀が無尽蔵に日銀券を市中の流すからインフレになるだろう、」といったものです。これは、量的緩和では無く、中央銀行による国債引受と呼ばれる手段で、近年ではアフリカのジンバブエ政権が行い、通貨が天文学的なハイパワーインフレを起こしました。勿論、米国のQEは中央銀行引受では無く量的緩和ですし、ECBが「やる」と主張しているのも量的緩和です。

では、この量的緩和はどの様な機能で行われているかですが、これは、まず、市中の銀行が政府の売る国債を市中の余裕資金で買います。市中銀行には、資金の代わりに国債が渡ります。

次に、日銀がこの市中銀行から国債を買います。この際、国債は日銀の金庫に入りますが、日銀が市中銀行に払う国債の代金は通常まず、全額、日銀の当座預金に積み立てられます。

市中銀行への利息は付利0.1%です。市中銀行はその当座預金を取り崩す権利をもっていますが、万一取り崩す際は、日銀が逆にその取り崩し金に相当する国債を市中銀行に、買いなおしてもらう処置を賭します。この規定を破ると、つまりは、日銀受けと同じ状況になり、少なくとも、今の状況だと、金利の急騰や、それに継続する国債資産の投げ売りと資産の致命的な海外流出は避けられないと思わわれています。

それゆえ、米国でも、日本でも、そしてもしかするとユーロ圏でも、当座預金の緊急解約などということは、絶対、「させない」ことになっているのです。

つまり、量的緩和で使える主な手は、流動資産を小規模、自国の通貨の信認が剥落することを恐れずやることと、国債買い入れ量の増大から、金利安を求め、そこから金利差により自国通貨安を創って、コストプシュインフレを目指す(しかし、これは需要減から最終的にはデフレ回帰します)とか、内需の崩壊を覚悟して輸出産業の支援をすることぐらいしかなく、「それらが、弊害が大きいことは、最近、よりはっきりしてきた。」というのが現状だと思います。

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