日本郵政グループの上場計画

画像の説明 日本郵政、来秋にも上場 ゆうちょ・かんぽと同時

政府が株式の100%をもつ日本郵政が、金融子会社のゆうちょ銀行、かんぽ生命と同時に、2015年秋にも東京証券取引所に上場する計画案をまとめた。1回あたりの売却額は1兆円前後になり、政府が売り出す株式総額は1987年のNTT以来の規模となりそうだ。

日本郵政の西室泰三社長が26日にも記者会見して、計画を発表する。詳しい上場の日程や売り出す株式数などは、市場の動向をみながら決める。

持ち株会社の日本郵政は、傘下に郵便事業を担う日本郵便、金融事業のゆうちょ銀行、かんぽ生命の3子会社をもつ。日本郵便以外を上場する方針は決まっていたが、同時に上場させるかどうかは定まっていなかった。

親会社と子会社がともに株式を公開している事例は多いが、通常はまず親会社が上場した後に、しばらくたってから子会社が続く方式が一般的だ。最初から親会社と子会社が一度に上場することは極めて異例だ。

改正郵政民営化法では、日本郵政はグループの収益の大半を稼ぐ金融2社の全株式を、できるだけ早期に売却するよう求めている。日本郵政だけ先に上場させようとしても、将来2社を手放すことが決まっているため、収益力がどうなるのかなど企業としての価値を見極めにくい。同時に上場させれば、投資家は親会社と子会社の価値を、それぞれ判断しやすくなる。

日本郵政は市場への混乱を避けるため時間をかけて段階的に売却し、2社の株式の保有比率をとりあえず50%より下げる計画だ。関与を薄めることで、他の金融機関から「民業圧迫」の批判が根強い住宅ローンなどの新たなサービスを始めやすくするねらいもある。

株主にあたる政府(財務省)は売却を段階的に続けることで、政府に入るお金のうち計4兆円を、東日本大震災の復興財源に回す予定だ。日本郵政のグループの純資産は9月末時点で約14兆円。政府関連の株式公開案件としては、売り出し総額が15兆円超のNTTに迫る大型案件として市場の注目を集めている。

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