「ルールに従わなかった結果だ」

画像の説明 米、瀬戸際のロシア経済に冷淡

ルーブルのレートを表示する電光掲示板。ロシアではルーブルの急落を受け、外貨への両替の制限や停止が相次いだ

米大統領経済諮問委員会のファーマン委員長は16日、ロシア経済が「危機の瀬戸際に立たされている」との認識を示した。オバマ大統領は週内に対露経済制裁の強化を可能にする法案に署名する意向で、ウクライナ問題などで国際社会と対立するロシアへの圧力が強まっている。

ファーマン委員長はホワイトハウスの定例記者会見に同席し、通貨防衛のための利上げは、結果的にロシア経済を傷つけることになると指摘した。経済制裁の効果を強調し、露経済の変調は「(ウクライナ問題などで)国際ルールに従わなかった結果だ」と突き放した。

アーネスト大統領報道官は制裁強化について、プーチン大統領にウクライナへの介入を続けるか、国民生活を優先させるかの選択肢をはっきりとさせることが狙いだと説明した。

米国は欧米と制裁強化の具体策を調整中で、オバマ大統領は発動を留保する見通しだが、それでも戦略変更を迫る「直接的なメッセージ」(メネンデス上院外交委員長)といえる。

金融市場ではロシア国債の債務不履行をカバーする保証料が2009年以来の高水準になっている。外貨準備も減少傾向で、ルーブルがさらに下落する懸念も拭えない。

こうした中、ロイター通信によると、ケリー国務長官は16日、ロシアがウクライナ問題で建設的な行動を取る兆候があるとの見方を示し、対露制裁の内容を再考する可能性も示唆した。

ただ、欧米との対決姿勢を鮮明にしてきたプーチン大統領が、すぐに戦略を変えるとの見方は少ない。米紙ニューヨーク・タイムズは「問題は向こう見ずな指導者が進路を変えるほど現状に懲りているかどうかだ」と分析している。

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