真面目、勤勉、親日だけじゃない…

画像の説明 ベトナム人の本当の魅力とは

人手不足を補う優秀な労働力として、ベトナム人が期待されている。意欲的、仕事は正確、親日家も多い―。もちろんその通りだが、それは一面を示しているのにすぎない。彼らは真面目一辺倒ではなく、人間味にあふれる魅力的なご近所さんだ。

足裏のツボを力いっぱい押してくる。クォーッ! 声にならない悲鳴を上げながら女性従業員にもう少し優しく押すよう伝えるつもりで目隠しを外すと…。斜め後ろにあるテレビでお笑い番組を見ながら笑っていた。こちらの視線に気づくと悪びれた様子もなく笑顔を向けてくる。ハノイで入ったマッサージ店での出来事。片手間の印象を受け気分を害してしまうが、施術の効果は変らないはずだ。

地下鉄工事のために市街地の中心を走る大通りが通行止めだったが、通勤通学時間帯になると、その区間の歩道がバイクで占拠されていた。歩道を走るバイクに眉をひそめる人はいない。無駄な気遣いをせず、規則よりも利便性を追求する。ベトナム人は実に合理的だ。

ハノイの旧市街で雑貨店をぶらついていたら土砂降りに遭った。アオザイを来た売り子が群がってきたが、傘1本15万ドン(約750円)。大卒の平均給与が600万ドン(約3万円)というベトナムで、どれだけ高級な折り畳み傘を売りつけてくる気だ。

ホテルまでのタクシー料金が7万~8万ドン(約350~400円)。迷わずそちらを選んだが不覚にも運転手にぼったくられた。乗る際に「これで足りるか」と10万ドン(約500円)札を見せたのがいけなかった。近くまで来たところでいきなり停車し、「10万ドン払え」という趣旨の現地語を叫んでくる。

この日はハノイ駅の駅員に構内見学を散々交渉して断わられ(1年前に訪れたサイゴン駅が可能だったので、どうにかなると思っていた)、旧市街で豪雨に見舞われヘトヘトの状態で乗ったタクシーだった。精も根も尽き果てており、言い値を払ってしまった。ホテルのボーイに告げ口されるのを恐れたのだろう。その場で降ろされ、5~6分歩かされた。踏んだり蹴ったり。雨がやんでいたことだけが幸いだった。

観光客が集まる大きな市場では、海千山千が手ぐすねひいて待っている。ホーチミンのベンタイン市場で価格交渉の末に品物を買う。帰してはくれない。他の商品をしつこくしつこく売りつけてくる。腕や服をつかんでくる両手をひきはがし、ようやく逃れたところで罵声を浴びせられた。何も買わずに出た店では拳で軽く腹を叩かれた。

ひったくりなどの軽犯罪は多いが、殺人などの凶悪事件が少ないとされるベトナム。感情をあらわにした物売りの姿はすがすがしさすら感じた。身の回りで嫌な出来事が多いな、と感じる今日この頃。日本よりも暮らしやすそうだ。

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