普天間「ノーだけじゃ進まぬ」

画像の説明 仲井真・沖縄知事が退任会見

沖縄県の仲井真弘多(ひろかず)知事(75)が9日、退任した。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題を抱え、2期8年の間、「県内移設容認」から「県外移設」、そして「辺野古移設推進」へと揺れ、先月の知事選で大敗した。9日も「(辺野古移設に)ノーと言うだけでは進まない」と最後まで持論にこだわり、反対派の怒号が飛ぶ中、県庁を去った。

県庁には早朝から、辺野古移設に反対する人々が集まった。県警の厳戒下、仲井真氏は午前10時過ぎに県庁で記者会見。普天間問題についての考えを問われると「次の知事さんに対するご注文は控えたい」と、いったんは回答を断ったが、語り出すと止まらなかった。

「道半ば感が非常に強くて、やはり普天間問題は早急に解決、実行する時期に入っている。そういう方向で事が進んでいくことを心から祈念する」「解決へ具体的に一歩一歩進めていく。ノーと言うだけでは事は進みませんから」

元々は県内移設容認派だった仲井真氏は、民主党政権下の前回知事選で政権と同じ方向の「県外移設」に転じたが、安倍政権になると、昨年末に辺野古の埋め立てを承認。先月の知事選では辺野古移設推進を訴え、約10万票差で敗れた。

知事選を制した翁長雄志(たけし)・前那覇市長(64)は移設阻止のため「ウチナーンチュ(沖縄人)の誇り」を旗印に、政府への抵抗を訴えるが、仲井真氏は会見で、こうした考え方への違和感も口にした。「『ヤマト(本土)対沖縄』とかいうものを前面に出してやる時代ではない」。政権と協調することで、沖縄振興に「良い成果も出た」と自負を見せた。

詰めかけた反対派の県民については「押しかけて仕事を邪魔する行為は極めて不謹慎」と批判。会見後、反対派から「裏切り者」と罵声を浴びつつ、県警や県職員の壁に守られて県庁を去った。

コメント


認証コード4569

コメントは管理者の承認後に表示されます。