欧州の環境戦略の背景にある貴族意識

画像の説明国家戦略として環境を位置づけようとしているEUが環境戦略で一歩先んじるのは必然なのかも知れません。

欧州が環境戦略で一歩先んじる背景には、欧州の統治階層の特殊性が横たわっている。

欧州諸国及びその連合体であるEUの統治階層には、多くの貴族が参加している。そして、英国貴族の伝統として、荘園を構え、森と川を持ち、狐狩りや川鱒釣りを楽しむ生活スタイルがある。

つまり、自然さえも、統治階層の遊興の対象である。

この伝統意識(貴族意識)が、現代産業化社会の自然破壊に反応した所に、欧州の環境思想の原点があります。

例えば、世界最大の自然保護団体である「世界自然保護基金」(WWF)は、1961年に設立される。
その設立の契機となったのは、英国の生物学者ジュリアン・ハクスリー卿が、東アフリカの野生動物の視察を行い、野性動物が狩猟や森林減少で絶滅しかねない事に危機感をもったのが始まりである。

ジュリアン・ハックスリー卿とある様に、彼は、サー(卿)の称号をもち、貴族である。また、ハックスリー卿と協力したのが、「レッドデータブック」の発案者でもあるピーター・スコット卿で、彼もサーの称号で呼ばれる貴族。

そして、1961年に設立される英国WWFの総裁には、エジンバラ公フィリップ殿下が就任する。

また、WWFインターナショナルの総裁には、オランダのベルンハルト殿下が就任する。

WWFの運動は、アフリカを植民地化し、その植民地の象やライオンをハンティングの対象として楽しみ、植民地経済(モノカルチャー化)により、森林や草原破壊を進めた欧州諸国(貴族)が、その楽しみの対象物である野生動物が少なくなってしまった事を憂いた結果である。

欧州諸国は、100年にも及ぶ植民地政策により、現段階でのアフリカの貧困に対して、一義的に責任がある。アフリカ住民の貧困を棚上げして、野生動物の救済を目的としてWWFがつくられた。

EUの諸委員会及び欧州系企業では、欧州貴族とその執事達(事務官僚や科学者達)が中心をなしている。

確かに「衣食足って礼節を知る」ではあるが、欧州発の環境戦略は、欧州諸国とEU指導層の貴族意識が原点にある。

先進国の過半で、まだまだ、序列意識を抜け出せていない。まさに、序列上位の余裕から来る環境戦略は、米国さえも組み敷く力をもっている。

(米国の東海岸出身の指導層には、英国貴族と伝統に対するコンプレックスが刻印されている。ノーベル平和賞受賞のゴア氏もその一人と言えそうである。)

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