中国と北朝鮮、関係悪化響く

画像の説明 国境の橋、完成しても不通、通られぬ連絡道路 

中国と北朝鮮北西部の新義州を結ぶ新たな国境橋。対岸の北朝鮮では、橋に続く舗装道路もできていないという

中国と北朝鮮を隔てる鴨緑江にかかる新たな国境橋が10月末に完成する。中国の温家宝(ウェンチアパオ)前首相が2009年の訪朝時に合意した中朝協力の目玉事業。ただ、両国の関係悪化もあって、北朝鮮領内では橋に続く道路が造られておらず、開通のめどはたっていない。

橋は中朝国境の最大都市、丹東の開発区で11年5月に建設が始まった。全長約3キロで片側2車線。中国紙によると、中国側が建設費用を負担した。両国を結ぶ国際列車やトラックが現在も使う日本侵略時代の旧橋(1車線)に比べ、大幅な旅行客や貨物往来の拡大が期待されていた。

中国側では、橋のたもとに「10月30日に完成」という看板がいくつもかかる。だが、橋を渡った地元関係者は「北朝鮮側は舗装道路すらできていない」。工事関係者も「来夏に使用できれば御の字」と言う。

中国側は将来の地価値上がりを見込み、橋のたもとでマンションやオフィスビル建設が続くが、北朝鮮側は田園風景が広がったまま。丹東では「北朝鮮政府が自国側の道路建設費も求めたが、関係悪化もあって中国政府は断った」(事情を知る地元関係者)との声も出ている。

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