「肺炎にならずに重症化?」

画像の説明肺炎にならずに重症化?新型コロナウイルス「進化」の兆候と民族的に危険な日本人

中国では新型コロナウイルスの感染者増加率に鈍化が見えたとの情報もある。しかしまったく楽観はできない。ウイルスが進化しており、日本人と中国人がもっとも危険との研究結果が出てきた。

東京オリンピック中止がもたらす経済失速と政権崩壊

新型コロナウイルスのニュースを聞かない日はなくなった。日本における本格的な蔓延はこれから始まるとして、政府も地方自治体も感染を抑制すべく臨戦体制をとっている。全国すべての小中学校や高校などに臨時休校を要請したほか、イベントの中止や延期などが相次いでいる。

また、国際オリンピック委員会(ICO)のディック・パウンド委員は、AP通信のインタビューで、東京オリンピックを開催するかどうかの判断の期限は、5月24日頃になるとの見方を示した。順延や開催地変更は難しいとも指摘した。パウンド氏は3カ月たっても新型コロナウイルスの蔓延が収束していない場合、「おそらく中止を検討するだろう」と述べた。

今回の新型コロナウイルスの感染の拡大の責任の一端は、政府の初期対応のマズさにあるといわれている。

中国で感染者が拡大していても、湖北省や浙江省など一部の地域からの中国人の入国を禁止しただけで、中国には全面的な入国禁止処置は適用しなかった。

また乗客が感染し、横浜港に停泊している客船、「ダイアモンド・プリンセス」では、感染者の管理がずさんだったため、いたずらに感染の拡大を招いてしまった。

さらに、船内では14日間の待機期間を終え、陰性と判定された乗客から感染者が出ている。こうした人々は、「ダイアモンド・プリンセス」を下船した後、電車などの公共交通機関を使って帰宅しているため、ウイルスを拡散してしまった可能性がある。

このように、政府の対応のマズさが目立った状況でオリンピックが中止ということにでもなれば、安倍首相は責任を問われ、辞任に追い込まれるのではないかという指摘もある。

オリンピックの中止は日本経済をさらに失速させるだけではなく、政権崩壊の引き金となる可能性すらある。

希望の持てる情報?感染者増加率の鈍化と特効薬
一方、こうした状況でも希望の持てる情報もある。そのひとつは、感染者増加率の鈍化である。以下が2月26日現在の状況だ。

感染者数:8万995人
死亡者:2,762人
回復者:3万人
致死率:3.41%
回復率:37.04%

このようになっている。ここで注目すべきは、感染が世界の新たな地域に拡大している一方、中国における感染者数の増加率は鈍化していることだ。また、中国の回復率は急速に上昇しており、少なくとも蔓延の中心地の中国では、新型コロナウイルスの拡散の勢いが衰える兆しも見えてきた。

このようななか、やはり注目されているのが特効薬と感染の検査に要する期間の短縮だ。

新型コロナウイルスの特効薬として調査されているものには次の3つがある。

・インフルエンザの治療薬「アビガン」
・エボラ出血熱の抗ウイルス薬「レムデシビル」
・HIV感染症の治療薬「カレトラ」

これらの薬は暫時感染者に投与され、効果を見るための調査が行われている。そこではっきりしてきたのは、感染初期のまだウイルス増殖の勢いがないときに投与した場合、完治する可能性が高いということだ。

他方、新型コロナウイルスの感染検査だが、これは「PCR検査」と呼ばれる方法で行われている。検査結果が出るまでに6時間ほどかかる。もし検査しなければならない感染者数が多ければ、検査には膨大な時間を要してしまう。このため、効果が期待できる感染の初期段階で投薬することは難しくなるので、十分な効果が得られなくなる。

もし新しいテクノロジーによって、「PCR検査」の時間が大幅に短縮できれば、新型コロナウイルスは、感染の初期段階で投薬にとって押さえ込むことができるようになるだろう。このような短時間しか要しない検査法が、いま急ピッチで開発されている。

いつになるかは分からないが、比較的に早く出て来るかもしれない。そうすれば、感染者の早期発見と投薬により感染の拡大は抑止できる可能性が大きい。

ついに南米に拡大。さらにウイルスは進化している?

南米に拡大

しかし、このような明るいニュースがある一方、蔓延のさらなる拡大を示す情報もある。

そのひとつは、「南米の感染拡大」懸念である。新型コロナウイルスの感染状況を伝えるメディアに「タイランド・メディカル・ニュース」がある。意外と知られていないが、タイは感染症研究では先端的な国だ。

歴史的に感染症が多かったことも背景にあるようだ。そのタイの医療情報サイトが、「タイランド・メディカル・ニュース」だ。

ここの記事によると、これまで南米の感染者数はほとんど報告されていなかったが、最近になってコロンビア、ペルー、ブラジル、アルゼンチンなどの国々の医師が、新型コロナウイルスによく似た症状の肺炎患者が増加していることを報告しているという。

これらの国々にはまだ十分な医療体制も検査体制もできていない。そのため、かなりの数の感染者がおり、ウイルスを拡散している可能性が高い。

これは、感染者の拡大が続いているイランの状況とよく似ているとしている。これから急速に感染者の拡大が、中南米で見られるのかのしれない。

進化するウイルス
さらに「タイランド・メディカル・ニュース」では、新型コロナウイルスが明らかに進化しているとする記事も出している。

新型コロナウイルス「CoVid-19」は、二重螺旋ではなく、一本鎖のRNAタイプのウイルスだが、すでにそれを構成するタンパク質の一部が新しくなっているタイプが発見されている。これは前々回の記事で紹介した。

これを証明するように、これまでにはない特徴が新型コロナウイルスの感染者に見られている。まとめると次の2つになる。

<(1)感染者の若年化>

これまで子供などの若年者は、新型コロナウイルスには罹りにくいと考えられてきた。また罹っても症状は軽度にとどまり、重症化するケースはほとんどなかった。

しかしながら、武漢や上海では12歳以下の子供が罹患し、重症化するケースが見られるようになっている。

ウイルスの研究者は、この特徴の違いから見て、これは武漢で拡散した初期のコロナウイルスではなく、これから進化した新しいタイプである可能性が大きいとしている。

<(2)肺炎を伴わない重症化>

さらに注目すべきは、症状の大きな変化である。

新型コロナウイルスは新型肺炎と呼ばれるように、肺炎を中心とする呼吸器疾患が主たる症状である。死亡するケースのほとんどは、肺炎の悪化である。

しかしやはり上海や武漢では、肺炎を伴わず、腎疾患や心疾患で突然死するケースが数多く報告されるようになった。死亡した患者には既往症もない人も多かった。

やはりこの症状の大きな違いから、これは初期のコロナウイルスではなく、これから進化した新種のウイルスではないかと見られている。

もっとも危険なのが日本人と中国人?「ACE2受容体」の存在

ACE2受容体

新しい新種が生まれたのではないかとする根拠が、「ACE2受容体」の存在である。

これは「アンジオテンシン変換酵素2」という血圧上昇を抑制する働きのある酵素で、肺の「II型肺胞上皮細胞」にあると同時に、腎臓や心臓でも機能している酵素だ。

新型コロナウイルスは、この「ACE2受容体」に接続して体内に入ることが確認されている。体内に入ると、肺炎などさまざまな症状が出る。

それが武漢で発生した初期型のコロナウイルスは、肺の「II型肺胞上皮細胞」にある「ACE2受容体」から体内に侵入するので肺炎が主な症状となったが、進化型は腎臓や心臓から分泌される「ACE2受容体」を通しても体内に入る。

すると、疾患が現れる部位が腎臓や心臓となるため、腎疾患や心疾患が主な症状になる。このとき、心疾患が原因で突然死するケースも出ているというわけだ。

これは、肺炎を中心的な症状にとする初期のコロナウイルスよりも、危険性が高いタイプだ。

感染しやすく、また重症化しやすい民族がいる

そして、さらに「ACE2受容体」に関してある医学論文が「bioRxiv」という未査読の論文を掲載できるサーバにアップされた。ちなみに「未査読」とは、他の研究者による審査を受けていない論文という意味である。

論文が科学論文として正式に認められるためには、他の研究者に審査してもらわなければならない。これを「査読」という。「未査読」とは、この審査が行われる以前のものなので、非公式の論文だということになる。そのため、科学論文としての信頼性は決して高くはない。

しかし、「査読」という時間と手間がかかるプロセスを通過することなく、先端的な研究をいち早く公開したいという需要があるので、「bioRxiv」のようなサーバが存在している。これはまた、先端的に研究をいち早く知りたいと思っている人々にとっても、便利なシステムだ。

1月26日にこのサーバにアップされた論文が、いま注目されている。それは、「武漢2019-nCovの推定受容体であるACE2の単一細胞RNA発現プロファイリング」という恐ろしく長い題名の論文だ。

この論文が注目したのは、先の「ACE2受容体」である。先にも書いたように、これは肺の「II型肺胞細胞」で発現するが、その発現の量が民族によってかなり異なるというのである。

「ACE2受容体」の発現量が多い民族は新型コロナウイルスに感染しやすく、また重症化しやすい。反対に、これが少ない民族は感染しにくい。そして、感染した場合でも軽症で済む場合がほとんどだ。

感染と重症化の危険度の高い民族をランク付けで公開

感染と重症化の危険度の高い民族
この論文では、これに基づいて、感染と重症化の危険度の高い民族をランク付けして掲載した。それが以下である。

・ハイリスク:90%~99%
東京の日本人
中国南部の漢族
ベトナム、ホーチミン市のキン族
北京の漢族
中国、シーサンパンナ・タイ族自治州のタイ族

・中間のリスク:80%~89%
未発見

・やや中程度のリスク:70%~79%
ペルー、リマのペルー人
バングラデシュのベンガル人
イギリス在住のスリランカ、タミル族
イギリス在住のインド、テレグ族
南アジアの人々

・中程度のリスク:60%~69%
テキサス州ヒューストンのインド、グジャラート人
さまざまな民族のアメリカ人
アメリカ南西部の黒人
パキスタン、ラホールのパンジャブ人
バルバドスのアフリア系カリブ人
ケニア、ウエブエのルーハ族
シエラレオネのメンデ族
平均的なアフリカ人
ナイジェリアのエサン族
イギリスのイギリス人
ガンビア西部のガンビア人
プエルトリコ人

・低リスク:50%〜59%
メデリンのコロンビア人
ナイジェリア、イバダンのヨルバ族
フィンランドのフィンランド人
スペインのイベリア人
一般的なヨーロッパ人
ユタ州の白人
イタリア、トスカナ人

以上である。これを見ると、肺の「II型肺胞細胞」で発現している「ACE2受容体」の量から見ると、東京在住の日本人のリスクがもっとも高いことになる。

これは肺における「ACE2」の調査だが、腎臓は心臓の「ACE2」から体内に入る進化型のコロナウイルスでも、やはり日本人のリスクは高いのだろうか?高いとしたら、非常に危険だ。

いま、賢明にこの情報を探っている。次回に期待していてほしい。掲載する。また、これを上回る情報も発見した。これは必見である。次回の記事に詳しく書く。

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