「良い本をご紹介します。」

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日本経済V字回復への道、生活を好転させたいと願っている方には、必読です。
というか、この本、おもしろい!!

先程読み終えたばかりですが、読んだ感想はひとことでいえば、

これまで読んだ
すべての経営書のなかで、
この本は最高!
です。

これができれば、日本経済も、企業経済もたちまちV字回復する。
その大前提にあるのは、どこまでも国への、人への愛情・・・です。

ただしこの本の凄みは、ただ愛情といった曖昧なものとしないで、それを具体的な戦略にまで落とし込み、さらにその成功事例を数多く紹介しながら、その成功事例に通じる真実を見事に書き表しているところです。

サラリーマン時代、いわゆる経営書は、専門的な経営学の本から、やさしい入門書まで、かなりの数の本を読んだと思います。

印象に残っているのは、マイケル・E・ポーターの『競争の戦略』でしたが、この『DISRUPTIVE STRATEGY「破壊的イノベーション」と「進化」の経営』は、これまで読んだどの経営書よりも、内容がふた周りも3周りも充実していて、しかも読みやすくて、わかりやすい。

著者の小川政信氏は東京大学理科I類入学、国際関係論専攻で卒業し、ハーバードMBA。マッキンゼーなどで経営コンサルタント経験から戦略的な経営コンサルタントとして名を馳せている方です。
クライアントとなった大手企業は、小川氏のコンサルで軒並み業績をV字回復させています。

なぜ、業績をV字回復させることができるのか。
その秘訣は、根底に国家や企業、人への限りない愛情を置いているからです。

昭和の終わり頃から平成にかけて大流行した経営学の多くは、市場ニーズを分析によって測り、売れるもの、市場が求めているものをより多く売ろうとしました。

ところが分析によって出てくる数値は、実はすでに過去のものでしかない。

過去をいくら追いかけても、市場は常に変化しているわけです。
うまくいくはずがないのは、あまりにもあたりまえのことです。

これに対し小川氏の経営学は、これまでの経営論を破壊し、市場そのものを自社の手で創造しようとします。

その創造の根幹にあるのが、愛です。
そして変革を迅速に、スピードをもって行うところに特徴があります。
これが「破壊的イノベーション」として、氏が語ろうとしていることのように感じました。

この本は、数々の事例を紹介しながら、その破壊的イノベーションによる成功例を引き、氏の経営哲学を明確に打ち出したものです。
まさに目からウロコ。

サラリーマン時代、某大手の企画部門にいたこともあり、洋書も含めて経営学の本はかなり読んだと思うのですが、経営学の本でこれだけ目から鱗が落ちる経験は、久々のことで、少々興奮気味でいます。

たとえば一例ですが、本文の中に「ニュートン力学」と「マックスウェルの世界」の対比があります。

ニュートン力学は、万有引力の法則で有名です。

マックスウェルは、情報工学の世界で進化を遂げましたが、簡単にいえばA=B、B=Cならば、A=Cとなるというのうがニュートン力学だとすれば、マックスウェルは、それは単に確率の問題であって、結果にはACもある、となります。

そしてこの思考が、実は量子力学で実験的にも証明されてしまいました。

早い話、ひとりの子(C)の父がA、母がBなら、この子の両親はABかというと、そうでもなくて、(もちろんそういうケースが一番多いのだろうけれど)、実はいまの父はDであったりもするわけです。

1+1=2になるのは、古典的数学ですが、現実の世では、1+1の答えにはゼロもあれば、4や5、ときに10もある。

それらは要するに意思と確率の問題なのだから、意思を持って行動すれば、未来は必ず開けるというわけです。

もちろん本書に書いてあることは、上に述べたような簡単な理屈ではなくて、実際の様々な事例に即したもっとはるかに深いものだし、様々な切り口でそのことが書かれているのだけれど、そうした積極果敢な攻めの姿勢の根幹には、国を愛し、人を愛する人としての誇りが、実は大きな要素を占めているといったことまで、実はこの本には書かれています。

日本経済は、平成30年間ずっと横ばいとなりましたが、考えてみればこれはあたりまえのことで、ただ、安かろう、悪かろうでは、パクリ国の製品に敵うはずもなく、しかも価値ある新開発の技術は、コストカット圧力の前に、ことごとく敗退。

ただ製品を右から左に動かして金儲けだけを狙うなら、新開発の技術革新を次々に進める外国企業に敵うはずもなく、結果、経済自体が縮小してしまう。

きわめてシンプルでわかりやすい話でしかないわけです。

実際問題、この30年間に、米国ではAppleのスマホ、グーグルのような新サービス、Amazonのような通販流通など、30年前にはまったく存在すらしなかった新たな市場創造が行われましたが、日本に果たしてそうした市場創造の動きはあったのでしょうか。

戦後の焼け野原からの復興を考えればわかりますが、商業では復興はないのです。

そこには頭脳と技術が必要なのです。

そうしたものを、人も企業も国も、大切に育てていくことが必要な時代になっているのに、小中高大一貫教育で教えられていることは、1+1=2という、答えのわかっている問題への素早い回答だけです。

「1+1を5にするためには」ということこそ、学生に、また社会人に求められている時代に、企画大量生産時代の時代遅れな「答えのわかっている問題に答えさせる」という教育で、人材が育成できるはずもない。

とりわけ文系では、その答えがはじめから反日的なものを求めるといった設問にされているわけで、そのような教育でまともな人材が育つはずもありません。

ついつい余計なことを書いてしまいましたが、この本は、日頃、歴史や古典文学を通じて、日本人の考え方のイノベーションを試みているねずさんの活動に対し、企業経営や産業革新、国際関係の分野から日本人の考え方のイノベーションを図ろうとしている、たいへん貴重な本です。

人生において、どんな書に出会うかは、まことに重要なことです。
現職で企業戦士として働いている方、これから社会人になろうとしている学生の方、あるいは政治家の方々にとって、新たな未来をひらく手がかりとなる本です。

是非、お読みいただきたいと思い、紹介させていただきました。

末尾になりますが、ねずさんの新著『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』も、よろしくお願いします。

ねずさん

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