「一定の注意が必要かと思いますね。」

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最後にヘタれてGSOMIAを延長した韓国

11月23日夕方、韓国政府は日本政府に対し、GSOMIA破棄通告を凍結すると伝達してきました。要するにGSOMIA延長です。昨日まであれほど強気にGSOMIAを破棄すると言っていたくせに、なんとも豪快にヘタれて見せてくれました。

これについて、国家安保室の金有根第2次長は会見で、「韓国政府は日韓GSOMIAの終了通知の効力を停止させるが、ただし、韓国政府はいつでもGSOMIAの保護協定の効果を終了させることができるという前提がつく」、「日韓輸出管理政策対話が正常に行われている限り、日本側の3品目の輸出規制のWTO提訴手続についても停止させる」と述べたことを聯合ニュースが伝えています。

土壇場のGSOMIA破棄撤回を受け、安倍総理は「北朝鮮への対応のため日米韓の連携協力は極めて重要。韓国も戦略的観点から判断したのだろう」と当然とばかり、さらりとコメント。

経済産業省も緊急記者会見を開き、韓国への輸出管理適正化措置について「方針に変わりはない」と見直しを否定しました。

まぁ、韓国が自分で勝手にGSOMIAをカードにして、散々日本のせいだと騒いだ上に、引っ込めることになった訳です。

ただ、注意しないといけないと思うのは、韓国が以前としてGSOMIAと輸出管理適正化およびホワイト国除外問題を絡めて来ていることです。

今回韓国はGSOMIA破棄宣言を凍結した訳ですけれども、そんな都合の良いことが出来るのかどうかという問題があります。

GSOMIAの条文で、条約の効力、改正、終了等について第21条に規定されています。その条文は次の通り。

第二十一条 効力発生、改正、有効期間及び終了

1 この協定は、それぞれの締約国政府がこの協定の効力発生のために必要なそれぞれの国内法上の要件が満たされたことを確認する書面による通告を外交上の経路を通じて行った日のうち、いずれか遅い方の日に効力を生ずる。

2 この協定は、両締約国政府の書面による同意によりいつでも改正することができる。

3 この協定は、一年間効力を有し、一方の締約国政府が他方の締約国政府に対しこの協定を終了させる意思を九十日前に外交上の経路を通じて書面により通告しない限り、その効力は、毎年自動的に延長される。

4 この協定の終了の後においても、この協定に従って提供された全ての秘密軍事情報は、引き続きこの協定の規定に従って保護される。
ここにあるとおり、GSOMIAは毎年の期日の3ヶ月前までに終了通告をしない限り、自動延長されることになっています。韓国は一度終了通告をしていますから、これまでのGSOMIAは破棄され、新たなGSOMIAの協定を結ぶ必要が出てきます。3ヶ月前の破棄通告を遡って取り消しできなければそうなるはずです。

仮に、遡って取り消し出来たとしても、今後のGSOMIAはこれまでのGSOMIAとは違ったものになります。というのも、韓国政府は今回のGSOMIA終了通告凍結について「韓国政府はいつでもGSOMIAの保護協定の効果を終了させることができるという前提がつく」と述べているからです。
これはGSOMIA第21条3項を改正することを意味し、その手続きは第21条2項に従って、両国政府の書面による同意が必要になります。

つまり、改正GSOMIA協定が新たに結ばれるであろうと思われるのですけれども、その際、「韓国政府だけがいつでも好きな時にGSOMIAを停止させる」などとしてはなりませんし、よもや「日韓輸出管理政策対話が正常に行われなかった場合にはGSOMIA即時停止する」などという条文はあり得ません。

前者は韓国がGSOMIA破棄をカードにして、いつでも好きなときに何度でも、日本に揺さぶりをかけることが出来るようになることと、これまであった3ヶ月という猶予期間が無くなることで、アメリカが横槍を入れる余地をなくすということになりますし、後者は、輸出管理がGSOMIAと関係があると認めることになってしまうからです。

まぁ、日本政府はそんなミスはしないと思いますけれども、改正されるGSOMIA条文がどうなっているかについては、一定の注意が必要かと思いますね。

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