「中国プライドの三峡ダム崩壊?」

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中国プライドの三峡ダム崩壊? 政府は噂否定も、住民不安

中国長江中流域にある三峡ダムは、治水や発電を目的とし、当時の李鵬首相が強力に推し進めた大国家プロジェクトだ。建設に17年を要し、2000億元(約3.1兆円)を費やした。その国家のプライドともいうべきダムが歪んできているというソーシャルメディア上の指摘を受け、共産党傘下のメディアが反論している。

◆ダムが決壊? グーグル衛星写真が物議を醸す
 
ロイターによれば、三峡ダム崩壊疑惑は、あるツイッターのユーザーが投稿したグーグルマップの衛星写真から始まったという。投稿ではダムが曲がって、壊れそうに見えると指摘されており、この情報が中国国内のソーシャルメディアで拡散された。

米国議会が出資する非営利ラジオ局、ラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、その後2007年から2018年のダムの写真を比べた画像が出回り、「深刻な歪み」があるなどと解説されていた。

国営電力会社、中国長江三峡集団は、三峡ダムは構造的に健全で、決壊の恐れはないと発表した。

同社の専門家は、ダムは温度や水位の変化で数ミリだけ動いているが、安全性に問題はないとしている(ロイター)。共産党機関紙、人民日報の姉妹紙のグローバルタイムズ(7月7日付)は、中国の衛星が撮った高解像度の写真を掲載し、ダム自体に歪みはなく安全だと訴えた。

また、ダムは1000年安心で、地球の重力は別とし、洪水や地震といった、外部からの力で変形することはないという専門家のコメントを掲載している。

住民は不安、納得できなくても何も言えず

中国プライドの三峡ダム崩壊?

◆共産党メディア反発 ダムは国家のプライド
 
CMPは、ダムに関する懸念が、技術的安全性の問題より、国家のプライドの論点から語られてしまっていると指摘するが、グローバルタイムズの反応はまさにこれに当たる。
 
同紙は7月14日付の記事で、提携するWeChatの公式アカウント「Buyiao」の分析を紹介し、三峡ダムに対する噂や中傷は、工事開始以来続いていると断じる。水文学やエンジニアリングの知識もない理想主義者的な環境保護主義者から来ており、いまや反対することが目的になってしまっているとのことだ。加えて、三峡ダムは技術的問題というより政治的問題になってしまったとしている。

 
7月7日付の記事では、噂を広めているのは国内や海外の勢力で、自らの目的のために、意図的にプロジェクトと中国政府に泥を塗ろうとしているという、国内の専門家の意見を掲載している。国家の威信をかけたプロジェクトへの批判は、一切受け入れない姿勢が読み取れる。

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