「ドイツ銀行の混乱警戒」

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韓国の言いがかり。EUも隣国をホワイト国に指定せずという事実

15日には文在寅大統領が「日本経済に大きな被害が及ぶ」と発言するなど、日本による半導体材料輸出規制に韓国側がますます反発を強めています。出口の見えない日韓関係ですが、この先どのような道を辿ることになるのでしょうか。

ドイツ銀行の混乱警戒

米FRBが7月末利下げはパウエル議長の議会証言で確定した。しかし、NY連銀ウィリアムズ総裁の発言、特に「貿易や世界的な経済成長に関し不確実性がある」が気になる。検討しよう。

日米株価
NYダウは、2018年10月3日26,951ドルで、12月26日21,712ドルと暴落したが、7月末利下げ確定で7月12日27,332ドルと過去最高値を更新した。

日経平均株価も、同様に2018年10月2日24,448円になり、12月26日18,948円と暴落し、米利下げ確定ではあるが107円台と円高、安川電機の決算は60%減益で、7月12日は21,685円になり、米国株に比べて大きく見劣りがするレベルに留まっている。

日本の株価が低いのは、7月末の米国利下げで円高や10月消費税増税や、中国への輸出が陰り機械類、電子部品などの企業業績が減益による。この上に韓国との貿易摩擦が出てくるので、市場は警戒と、出遅れで海外投資家の450億円程度の買いやGPIFや日銀ETFの買いで、上下方向のトレンドが出ずに、硬直状態が続いている。閑散小動きの相場から上下に動くには、何か悪いショックや非常に良いことが起きる必要がある。

米国は、雇用統計もよく過去最高の株高でも、7月のFOMCで利下げをするとパウエル議長が議会証言したことで、過去最高値を更新している。パウエル議長は、インフレ率の下押しで利下げというが何かおかしいが、NY連銀ウィリアムズ総裁は世界経済の不確実性での利下げと、これが気にかかっている。1つには、勿論、米中通商戦争であるが、もう1つにドイツ銀行の破綻があるのではないかと思う。

ドイツ銀行問題

ドイツ銀行は、どのくらいの損失が出ているのか見えないが、社員の2割、1万8,000人を解雇した。この状況と並行して、公式行事で震えが出るメルケル首相の健康問題も出ている。この震えが出始めた時期が、ドイツ銀行の問題が出て、その処理を検討している時期に重なっている。

一説には、ドイツ銀行は、デリバティブ取引で7,000兆ドルの取引があり、相当な損失が出ているという評論家もいる。少なく見積もって1%の損失でも、70兆ドルの損失で、7,000兆円というとんでもない損失になる。この損失を年利1%で飛ばしたとしても、1年で70兆円の利子支払いが必要になる。これではドイツ銀行は持たない。

そのため、ドイツ銀行の正常化が必要になり、ドイツ政府が前面に出てきた。もし、ドイツ銀行を倒産させたら、世界的な投資銀行の倒産連鎖が起きて、世界経済はリーマンショック以上の大混乱に陥ることになる。そして、デリバティブ取引の中心は米国である。米国の多くの投資銀行の倒産になる。

このような混乱手前にドイツと米国はあり、EU人事でもECB総裁のポストは、ドイツ連邦銀行総裁のイェンス・バイトマンと噂されていたが、ドイツ銀行問題があり、タカ派のバイトマン氏ではなく、ハト派でフランス人でIMF専務理事のラガルド氏になったのである。金利を思いきりゼロにするしか、ドイツ銀行の救済はない。メルケル首相が、マクロン大統領との議論で負けて、EU議長ポストだけで我慢した理由でもある。

そして、ドイツは、ドイツ銀行に代わって、7,000兆円の穴埋めをすることになる。黒字国ドイツ国家予算は120兆円程度であり、予算の20%を穴埋めに使うとしても、24兆円しかないので、完済するのに292年もかる計算になる。マイナス金利にあるドイツ国債発行で、埋め合わせるとしても、発行額が巨大なために金利上昇を起こしてしまう。

ドイツ銀行の投資部門の中心は米国にあり、ドルでの借入金がある可能性が高く、不確実性のために7月0.5%の下げが必要とウィリアムズ総裁は述べている。トランプ大統領とパウエル議長の7月の電話会議でも、ドイツ銀行の問題が出ているはずである。

より大きな損失を受けるのは韓国

中東戦争

米国とイランの戦争が濃厚になってきた。その中で、ホルムズ海峡での民間船護衛の有志連合を結成すると米国は述べて、日本にも参加を呼びかけている。そして、これは戦争の準備でもある。中東に各国海軍艦艇を集めて、イランに圧力をかけることも狙いにあることが明確である。日本はイランとも関係が良いので、悩ましいことになっている。

しかし、トランプ大統領は、戦争ではなく、制裁を掛けて戦争にはしないような素振りをする。このことで、戦争がないと思わない方が良い。軍人を運ぶのは、飛行機で短時間にできるが、軍備を運ぶのは船が必要であり、戦争を決意してから、すぐには戦争を始めることができない。軍備という荷物が中東に届いた時に始めることになる。

ということは、決意してから3ケ月程度の時間が必要であり、その期間は、戦争するという意思を隠しておくことが必要になる。もし、明らかになると、戦場で軍備もなく、敵からの攻撃で大きな損害を被ることになるからだ。

この期間に米国はいる。戦争準備の期間であり、ここでは戦争することを隠しているしかない。

ホワイト国解除

韓国は、日本とは友好国ではないことを、自衛隊機に対するレーダー照射や徴用工賠償請求、自衛隊の観艦式参加拒否的な振舞などで明らかに行動で示してきた。

このため、日本も韓国を友好国から外すことにしたら、ホワイト国という友好国待遇を要求してきている。WTOにも友好国待遇をしない事が、国際法違反の貿易阻害と述べている。しかし、EUも韓国をホワイト国指定していない。貿易管理の瑕疵があるからである。

ホワイト国指定してほしいなら、日本との友好国らしい振舞をするべきである。徴用工賠償請求では、日本は第3国の仲裁協議を提案しているのであるから、それを受けて行動することが必要である。

その上、貿易管理でも、違反した企業名を明らかにして、経営者を処罰する必要がある。しかし、違反が150件以上となり、再犯している可能性が高い企業もあるようだ。違反の透明化をしないと、違反企業に物資を渡す可能性が出て、安全保障上問題である。

LGやサムソンが半導体を供給できなくても、競合会社は多数あり、世界的にも困ることはない。もう1つ、中国製造2025関連で、サムソンは最新鋭半導体工場を中国に建てる計画で建築を開始している。しかし、ここへの原材料をどうするのか明確ではない。日本の材料を使うことになると、それは由々しき問題である。中国はホワイト国ではないからで、キャッチオール規制違反になるからだ。

このため、米中通商摩擦で最先端技術移転を嫌う米国からの要請で、韓国をホワイト国解除に、日本は動いた可能性も指摘されている。その証拠に、韓国が米国に介入要請しても動かない。

しかし、高純度のフッ化水素については、ロシアが韓国に提供可能と提案しているようである。ということはメモリー半導体の生産は可能である。日本も、その意味では、機会損失を被る可能性がある。韓国との我慢比べという側面もあることは、確かだ。

EUV用レジスト、フッ化ポリイミドについても中国、台湾や欧州からの低純度の物を使うようである。歩留まりが著しく下がることにはなるが、仕方がないが日本も機会損失になる可能性がある。

というように、日韓ともに敗者になるが、より大きな損失を韓国が受けることになる。もし、このようなことをしないと、日本だけが敗者になり、韓国は勝者で居続けることになる。

そして、韓国は、重要材料を中露から得て、正式に中露陣営に参加となる可能性もある。やっと中途半端な状態からすっきりすることになる。逆に、米国は北朝鮮を自国陣営に入れるよう動く。米中の陣取り合戦が本格化する。

革命的な構造改革が必要な時期に

中長期の政策が必要な日本
参議院選挙で、年金問題や消費税増税問題が争点になっている。しかし、野党は超短期目線で、消費税を上げるなと叫び、年金で生活できるようにしろと叫ぶ。しかし、それを実施したら、中長期的な観点からは、大きな問題を起こすことになる。

それなら、自民党は、日本の中長期的な政策を公約として掲げているのかというと、年金問題でも、今後寿命が延びる人生100年時代にどう対応するのかという政策やビジョンがない。

ということで、与野党ともに日本の将来像が見えない。今後、年間40万人づつ人口が減り、徐々に60万人になり、生産人口は60万人づつ減っていく。そして、その穴埋めのために外国人労働者を入れている。

現在260万人の外人労働力に頼っている。現時点のGDPレベルを保とうとすると、今後も年間60万人以上を増やさないと維持できない。そして、税収は現時点GDPの12%程度であり、それで年金や社会保障を維持しているが、外国人労働力を入れないと維持できないことになる。その上に、75歳以上の人口が60万人づつ2025年まで増えるので、介護人材はより必要になり、かつ年金支給額や医療費は増大することになる。

しかし、10%以上の外国人労働力、約1,000万人を入れると、日本語が通じない地域ができるなど、日本人との文化摩擦が激しくなり、この外国人労働力に頼る政策も限界がくる。

このベースを理解して、議論する必要がある。人口統計は、一番確かな未来の数字であり、この上でシミュレーションをすれば、容易に日本の未来は見通せる。

医療費は、1人当たり年間330万円かかっているが、徐々に75歳以上の国民が増えると、この金額も上がっていく。ということで、現時点は450億円であるが、2022年前後で500億円に増えることになる。

生産人口が減り、高齢者が増えることで、支出が増え、税収は減少する財政危機が来ることが分かっている。赤字国債や金融緩和だけでは、この状況を変えることはできない。増税を早くしないと、GDPは今後、減っていくので、税収も減っていくことが予測できる。このため、増税と共に社会保障政策の見直しをしないといけないことになる。

もう1つ、20年後の日本の生産人口を増やすためにも、女性の出産率も上げる必要がある。このため、女性の今以上の就業率UPも難しいことになる。また、結婚率を上げる政策も必要になる。

その上に、日本の産業競争力が減退して、貿易赤字になり、経常収支も減少してくることになる。このような危機的な状況を20年前から、このコラムはシミュレーションをして、警告してきたが、アベノミクスで構造改革を行うのかと見ていたら、その場凌ぎの赤字国債増額と金融政策だけで、ここまで来てしまった。

このため、日本の構造改革が、待ったなしの状況になっているのに、消費税増税は10月以降の景気を押し下げると、野党も経済評論家も超短期の目線で反対している。しかし、このような政策では、将来の日本の衰退を早めることになる。このため、若者は不満ながらも自民党支持になっているし、野党支持者の多くが、高齢者になっている。

もし、野党も経済評論家も将来の日本にも良いと言うなら、2035年までの中長期にどのような政策を打ち、経済成長を行い、国民の年金生活を維持するのか、人口減少を前提とした政策を提示するべきなのである。

複数要素が絡むので、必ずシミュレーションをして議論するべきである。日本の苦境に対して、夢のようなことを言わないで、真剣に日本の生き残りを議論するべき時代になっている。

戦後の経済成長時代とは違う革命的な構造改革が必要な時期に日本は来ていることだけは確かである。 

年功序列・終身雇用制度は終焉へ

人生100年時代の日本をどう作るのか?
シミュレーション途中であるが、GDPを維持拡大するには、生産人口を増やすしかない。その解決として、年金の給付を遅らせることで、年金を維持する。65歳までの生産人口を75歳まで生産人口にすると、生産人口が1,500万人も増える。

しかし、75歳まで1つの会社に勤務して、年功序列賃金を維持することは難しい。トヨタの豊田社長も終身雇用制を今後も続けていくことは難しいと述べている。ジェネラリスト重視の大企業の会社員は、会社を出ると無価値になってしまう。このため、スペシャリストの部分を自分の中に作らないと、次の会社にも移れない。

ということで、45歳定年にして、45歳で企業の狭き門のジェネラリストで残れるか、偉くなれないがスペシャリストでいるか、起業するか、別の会社の管理職なるか、ある分野の専門家になるか、の選択をするような仕組みが必要になる。

そして、会社は能力に応じた年収を払い、25歳で年収400万円程度を支給して、結婚ができるようにすることである。45歳定年となれば、給与を貯めて、投資して45歳で定年になってもある程度の資金で、起業もできるようにする。45歳前での副業で技術を磨くなどをして、45歳定年に備えることができる。

年功序列で終身雇用制度という戦後の日本企業の雇用制度を全面的に見直すことが必要になっている。この見直しは、米国的な社会に、日本もなることであり、大きな抵抗が予想できるが、そのような革命的な構造改革が必要な時期に来たように感じる。

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