「北朝鮮から疑われ世界から孤立する韓国

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3月4日、韓国の文在寅大統領は、国家安全保障会議を開催し、先日、ハノイで行われた米朝首脳会談で金正恩委員長が廃棄の意思を示した寧辺核施設について「寧辺核施設が全面的に、完全に廃棄されるならば北朝鮮の非核化は進行過程にあり、後戻りできない段階に入ったと評価できる」とし、制裁解除が議論されただけでも「大きな進展」だと主張。

更に「米朝両首脳が近く会い、妥結が実現することを期待する……我々の役割も再び重要になった」と仲介役に意欲を示しました。

この発言について、金宜謙報道官は「トランプ大統領が話した『寧辺+α』が全て」としながらも「文大統領の言葉は、完全な非核化に進む過程で寧辺を廃棄すればそれが70%でも80%でもその時は後戻りすることができないという意味」と説明しました。

ちょっと意味が分かりません。北朝鮮の核施設が寧辺だけでないことは既にアメリカが明らかにしています。最低二ヶ所ある核施設のうちの1ヶ所を廃棄しただけでなぜ後戻りできないといえるのか。文大統領の発言は単なる希望的観測に過ぎません。

先日決裂した米朝ハノイ会談での記者会見でトランプ大統領は「我々は北朝鮮のことについてはよく知っている。インチ単位で分かっている」とコメントしました。

ウラン濃縮施設は稼働時に大量の電気を必要とし、発電機が大量の熱を発生することから上空から監視している偵察衛星で容易に捉えることが出来ます。特にアメリカの偵察衛星は高度150キロまで降下すれば地上の物体を10センチ単位で探知することができ、核施設を出入りする車両だけでなく人の動きを把握することができると言われています。場合によっては車の形式はもとより、ナンバープレートまでキャッチしているかもしれません。

トランプ大統領は記者会見で「我々はそれ以上をしなければならなかった……皆さんが話したり書いたりしていないものの中に我々が発見したものがある」と述べ、寧辺の核施設廃棄の他の核施設の廃棄を求めていたことを示唆していますけれども、その他の核施設は、「分江」ではないかと消息筋は伝えています。

分江は寧辺核施設に隣接した地区で、これまで表沙汰にはなっていませんでした。消息筋らは「アメリカ情報当局は長い間北朝鮮の核活動を追跡してきたものと把握している……分江地区は既存の寧辺核団地の北西側に位置し、北朝鮮は外部から探知されるのを憂慮し、その地域の地下に高濃縮ウラン(HEU:High Enriched Uranium)工場を作ったものと把握している」と説明しています。

更に、この施設は、スタンフォード大学国際安保協力センター所長が2010年にジークフリード・ヘッカー博士に北朝鮮が公開した施設より遙かに大きい規模だと判断しているそうで、「ヘッカー博士が確認した高濃縮ウラン施設より古いが地下にあるためアメリカ当局の確認が遅れたものと理解している」と消息筋は伝えています。

金正恩委員長は、ハノイ会談で寧辺以外の核施設廃棄を求められたとき、驚いたそうですけれども、地下に隠しておけば分からないだろうと多寡を括っていたのがあっさりと、バレてしまったのはショックだったと思われます。

仮に「分江」以外に第3の核施設があり、金正恩委員長がそれを隠していたとしても、アメリカが既にそれを知っているかもしれないと疑心暗鬼になるからです。

そんな状況であるにも関わらず、韓国は呑気に米朝間の仲介役を自任しています。

3月5日、康京和外交部長官は、韓国与党・共に民主党執行部に対して行った2回目の米朝首脳会談について報告の中で「近く外交部の李度勲朝鮮半島平和交渉本部長が訪米する予定なので、それについてアメリカから説明があるはずだ……確認されていない内容が広まっているので、李本部長がアメリカに行くことになった……李本部長は米国のビーガン対北朝鮮政策特別代表に会い、細かい内容について最終的に確認しなければならない」と述べています。

康長官がいう「それ」というのは、アメリカが北朝鮮に求めた核施設廃棄で、寧辺と並んで更に求めた「プラスアルファ」のことです。

康長官の報告を受けた共に民主党の洪翼杓首席広報は「寧辺プラスアルファが何を意味するかは確認できなかった」としつつも、「政府はアメリカと共有できていないわけではない……電話や書面で知らされるよりも、交渉を実際にリードしたビーガン氏から直接聞く方が最も正確だから」などと言葉を濁しています。

巷では、これらから、韓国は同盟国でありながら、アメリカから情報を貰っていないのではないかと穿った見方も出ているようです。仮にそれが本当で、そうであることを悟られないために取り繕っただけだったとしても、ただでさえ、アメリカはこちらの思っているよりずっと北朝鮮の内情を知っているかもしれないと疑心暗鬼になっている金正恩委員長にしてみれば、こんなセリフですら、その疑心をより深めてしまうことにもなりかねません。

畢竟、韓国は北朝鮮からの信頼を更に失ってしまう結果となります。

それ以前に、韓国の北朝鮮への前のめりな言動に世界各国は眉を顰めています。

3月5日、アメリカのシンクタンク、アトランティック・カウンシルと韓国国際交流財団がワシントンで共同開催したフォーラムでも、アメリカから韓国の姿勢に疑義が呈されています。

アメリカ側出席者のバーシュボウ元駐韓アメリカ大使は「一定の進展があれば開城工業団地と金剛山観光再開を推進してもいいが、短期的には韓国は少し落ち着いて、ゆっくり動くべき……韓国は、アメリカが制裁の例外措置を認める用意ができるまで、アメリカを圧迫してはならない……なぜならアメリカは、北朝鮮が韓・米を仲違いできないよう、北朝鮮に対するテコを維持し、統合的接近をするべきだから」と意見しました。

そして、文在寅大統領の寧辺の核施設の廃棄が非核化の不可逆段階と主張したことについても、ジョセフ・デトラニ元6ヶ国協議次席代表は「寧辺は重要だが、一つの段階というだけ……それがすべてではなく、始まりに過ぎない……このような問題は、3時間、6時間、また二日で交渉できる内容ではなく、十分なすべての具体的な事案を実務陣が奥深く協議した後、首相は座って署名するだけでいいように準備しなければならない」とバッサリ。

バーシュボウ元大使も「結果を出すためには、スティーブン・ビーガン対北朝鮮特別代表など多くの人が言ったように、包括的ロードマップを先に導き出さなければならない……今後の交渉で非核化の進展を成し遂げるため、強力な制裁を維持するのが非常に重要である」と相手にしていません。

外信の意見も同様です。

AFP通信は「寧辺は北朝鮮の唯一のウラン濃縮施設ではないものと見られる。その閉鎖が北朝鮮核プログラムの終了のサインではない……しかし、大統領は寧辺核施設廃棄が北朝鮮非核化が不可逆的な段階になると話した」と文大統領発言がおかしいと指摘。

イギリスのフィナンシャルタイムズ紙も専門家らの話を引用し「文大統領が米朝首脳会談決裂にともなう仲裁者として韓国の役割を強調するが、南北経済協力をあまりに強く押し進めれば米韓間の不和が生じる可能性がある」と述べています。

要するに、文大統領は仲裁者としての資格に欠けるのではないかということです。

アメリカから呆れられ、北朝鮮からは疑いの目を向けられる。日本とは不仲で、その他諸国からは怪し気に見られる。

北朝鮮問題に限って言えば、韓国は世界から孤立しつつあるのではないかと思いますね。

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