「飛行すべきでなかった」

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インドネシア機墜落、安全委「飛行すべきでなかった」
東南アジア アジアBiz

インドネシアでライオン航空610便(乗員乗客189人、米ボーイング737MAX8型機)が墜落した事故で、インドネシア運輸安全委員会は28日、事故原因の中間報告を発表した。

機体の空中姿勢を測るセンサーの異常が墜落につながった可能性を示唆し、同じ機体で墜落以前にも不具合が多発していたことから「当該機は飛行すべきではなかった」と指摘した。

28日、事故原因調査の中間報告を発表するインドネシア運輸安全委員会のハリヨ副委員長

安全委は「2019年10月末をメドに最終報告をまとめる」として、事故原因や墜落の責任の所在には直接言及しなかった。ただ、610便と同じ機体では、墜落の3日前から速度計などの複数の問題が報告されていたことから、安全委はライオン航空の整備に問題がなかったかを詳しく調べる方針だ。

中間報告では、墜落現場付近の海域で回収された「フライトレコーダー(飛行記録装置)」の記録などから610便の飛行状況を分析した。機体の空中姿勢を測る「迎え角(AoA)センサー」について、離陸から墜落するまでの10分強の間、「左右のセンサーで(データが)20度食い違っていた」と明らかにした。

迎え角センサーから入力された情報に誤りがあり、機首が下がりすぎることが墜落の原因である可能性が高まった。610便の副操縦士は飛行中、管制官に飛行高度を確認するよう要請し「飛行制御に問題がある」と報告していた。これまでの分析や目撃情報などから610便は急降下して海に突っ込んだもようだ。

インドネシア運輸省は10月31日、ライオン航空に対して、技術担当取締役など同機の整備にかかわった担当者らを職務から外すよう求める行政指導をした。ライオン航空は技術担当取締役を一時的に解任して代行を立てた。

610便で使用された737MAX8型機はボーイングの新型中型機で、墜落事故は初めて。ライオン航空は610便の機体を8月に受領したばかりだった。

米連邦航空局(FAA)は7日、事故を受け、737MAX8型機を持つ航空会社などに緊急改善通報を出した。迎え角センサーからの情報に誤りがある場合、操縦不能になり「機首が過度に下がって高度が失われる」として、操作手順を30日以内に改訂するよう求めた。

610便は10月29日午前6時20分(日本時間午前8時20分)ごろ、ジャカルタ郊外の空港を離陸した直後に急降下し、ジャカルタ北部の海に墜落した。乗員乗客189人全員が死亡したもようで、身元確認を進めている。

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