「温暖?寒冷?」

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CO2での温暖化は集団催眠か 本当は寒冷化の始まりではないか?

気をつけていたのだが、ついに風邪をひいてしまった。
あまりの気温の変化の激しさに体がついていけないのだ。
記録ずくめだった今冬の豪雪や全国的な冷え込みが終わった途端、一転して暑すぎる春の訪れである。

気象庁によると3月の日本列島は全体的に気温が高かった。
とりわけ東日本の月平均気温は平年より2・5度も暖かく、約70年間の観測史上、最高温の3月だった。この異常な陽気に時折、寒気が侵入したので、数日前から半病人の体調だ。

地球史で気候の変動を

どう見ても異常な気象だ。多くの人が寒暖の激しさを地球温暖化の仕業と受け止めている。
学界やメディアをはじめ、国際政治や日本政府も、そうした立場で対応している。

二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出削減を世界の国々が目指す「パリ協定」は、その典型だろう。

排出されるCO2が十分に減るまで地球の気温は上昇し、異常気象は猛威を振るい続けるのだろうか。

東京工業大学地球生命研究所・特命教授の丸山茂徳さんを訪ねると、過去140年の温度変化とCO2排出量のグラフを並べて「CO2と気温は無関係だよ」と説明してくれた。

地球惑星科学を専門とする丸山さんは「46億年の地球史を解析せずに気候変動を予測するのはナンセンスだ」と、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)に代表されるCO2主因論と脅威論を一蹴する。

19世紀初頭にも寒冷期

気候に大きな影響を与えてきたのは、太陽活動、宇宙線、地磁気、火山活動、大気組成などであるという。

過去100年以上、地球の平均気温は上昇してきたが、20世紀は太陽活動が非常に活発な時代であったのだ。

丸山さんは「地球の寒冷化は100年から数百年周期で繰り返されている」と話す。

過去千年の間には、5回ほど起きている。直近の寒冷期は1800年頃からの約30年間で、この時期には太陽の黒点が減っていた。太陽活動は低下し、地球に降り注ぐ宇宙線は増えていたのだ。

「今の地球は、温暖化の終わりと寒冷化の始まりを迎えている」と丸山さんは話す。

そうした寒冷化の開始において気温は特徴的な振る舞いを見せる。「夏は一段と暑く、冬は一段と冷え込む」そうだ。

まさしく、近年の異常気象そのものではないか。

極端化の前例を示す研究を紹介してくれた。前回の寒冷期の氷を含む米ワイオミング州の氷河の分析だ。温暖期には小幅な振れだった気温が、寒冷期に入ると寒暖の振れ幅が数倍以上に拡大している。

その後約30年間の気温の平均は、低温側に大きくシフトしているが、振れ幅が大きくなっているために猛暑もしばしば顔を出している。

人類史は試練の時代に

目下、太陽活動は低下中だ。変化は1990年頃から始まった。丸山さんは2035年頃に最も弱まるとみている。

地磁気も弱まる傾向を強めているので、地球に届く宇宙線が増加する。宇宙線は低層雲を生む作用(スベンスマルク効果)を持つので、上空からの日射を遮る雲が多くなる。

気候に関わる諸要素は地球寒冷化の方向を示しているのだがIPCCはCO2の増加だけをよりどころに、さらなる温暖化を主張してきたわけである。

国際政治も経済もIPCCのCO2温暖化論に追従した。全人類が、スパコンのシミュレーションが演出する集団催眠に陥っている感もある。

現実の気候システムで最大の温室効果を発揮しているガスは水蒸気なのだが、その基本的な事実さえ一般の人々には届いていない。

寒冷化の負の影響は、温暖化をはるかに上回る。予防原則の立場からも寒冷化対策を議論の視野に入れるべきだろう。

今国会には温暖化で暮らしや第1次産業が受ける被害を軽減するための「気候変動適応法案」が提出されている。

オランダは10年以上前に同様の国家対策を策定し、英国や米国、韓国でも作成済みだ。京都議定書での失敗をはじめ、日本は先読み力が弱い。

寒冷化への移行はエネルギー政策や食糧政策とも不可分だ。丸山さんは難民問題も深刻の度を深めるだろうと予測する。

風邪ごときで騒いでいる場合ではないようだ。

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