「二度は騙されない」

画像の説明 今回の民主と維新の合流は、勢力拡大を狙う民主党と松野頼久・維新の党代表らが自ら国会議員として生き残るための思惑が一致したことだ。

民主党という政党のもつ欠点は、今も筆者が『なぜか誰も書かなかった 民主党研究』で指摘した“構造的”な問題に起因する。

当時の本に、民主党の議員を見ると岡田克也、小沢一郎、鳩山由紀夫といった自民党出身者と、横路孝弘、赤松広隆といった社会党出身者が混在している。

かつての55年体制で争っていた「水と油」の違いほどある政党が一緒になったのだから、憲法や安全保障政策が今日までまとまらず、いつも「現在、検討・議論中」ということになるのは当たり前のことで、何ら不思議ではない。

そんな民主党でも、メディアは「二大政党時代の到来」ともてはやし、今でも政権交代が起きそうな雰囲気をかもし出す――と指摘した。

また、『民主党はなぜ、頼りないのか』でも「民主党は、自民党の一部、旧社会党右派及び左派の一部、旧民社党、旧新党さきがけ、旧社民連、旧自由党など、様々な「具」が混じり合ってできた「ビビンバ政党」だ。

そのため、イデオロギーの違う面々が同居し、憲法、外交、防衛政策に大きな開きがあるのだ。」と書いた。

さらに、国家観のバラつきについては、「国旗及び国歌法案」(1999年)の採決では、民主党は賛成と反対が「真っ二つ」。賛成45名、反対46名に分かれ、内部対立の姿を浮き彫りにした。

民主党の最大の問題点は、政党の本質そのものである。

イギリスの思想家で政治家でもあるエドモンド・バークは、政党を「ある特定の主義や原理が一致している人々が、その主義や原理に基づいて、国民的利益を増進させるために協力すべく結ばれた集団」と定義している。

つまり、このバークの定義に則して述べるなら、党としての意思統一、決定を図ることができない民主党は、政党としての体(てい)をなしていないと言える。これが露呈したのが、民主党が政権についたことで改めて証明された。

松野頼久氏が民主党を離党した理由

松野頼久氏が民主党を離党した理由は、2012年、消費税増税法案を含む社会保障・税一体改革関連法案について、反対する意向を表明。衆議院本会議における社会保障・税一体改革関連法案の採決では反対票を投じ、党議違反したことである。

当時、消費増税法案の採決では反対の意を表明していた鳩山由紀夫、小沢一郎以下57名が反対票を投じ、元総務相の原口一博・元環境相の小沢鋭仁ら13名が棄権、2名が欠席(病欠した元首相の羽田孜を除く)するなど72名の造反者を党内から出した。

その後、松野氏は、民主党に離党届を提出し、他のメンバー6名とともに日本維新の会結成に参加した(民主党は松野の離党届を受理せず、除名処分を下した)。

その後、日本維新の会国会議員団代表に就任した。その後、維新の党は幹事長の柿沢未途氏が山形市長選挙において民主党・共産党などが推薦する立候補者を独断で応援に訪れたことをきっかけに内部対立が鮮明化し、維新の党とおおさか維新の会に分裂した。

維新の党は、このままでは将来予測される衆院選に生き残るために、民主党に合流した方が得策と考えたわけだ。

マスコミは、民維新党について党名の公募の行方を大きく報道しているが、政党の基本にせまる報道はない。

民主党政権は、「一度、民主党にやらせてみては」とのマスコミの大合唱の結果、誕生した。

その結果、民主党政権は、普天間移設につき迷走、近隣諸国とりわけ中国、韓国との外交関係を毀損し、その後の安倍晋三内閣は、日中韓首脳会談を3年半かけてようやく実現させた。

国会での党首討論で、岡田代表は、日本の安全、防衛はどうして守ってきたか? について、「日米同盟と平和憲法」と述べた。

これは間違いである。日本の防衛は、「自衛隊と日米同盟」で守られている。

自衛隊は日夜訓練に励み、日本の国土を守っていくという強い意思のもとに任務に当たることによって、戦後の日本は平和を享受できたわけである。

だから民主党は、自衛隊の解消を目指す共産党と選挙協力を模索するわけだ。

最近の日本周辺の軍事情勢は、ここ10年間の中国・ロシアの軍事費の急速な伸び、北朝鮮のミサイル発射や核実験などをどう考えるかである。

国家の任務は、国民の生命と財産を守ることで、国は自国民を防衛する義務がある。

「平和というのはただ平和、平和と口で言うだけでは達成されないので、平和を破るような行為を阻止する手段を講じることが必要なのだ」という小泉信三元慶應義塾塾長の言葉をキチンと踏まえるべきである。

その上で、民主党に今、問われているのは、共産党の日米安保条約廃棄と自衛隊の解消という安全保障政策に同意するか否かである。

民主党が国民から信頼されないのは、政党の本質を真摯に考えずに、いい加減にしてきたことである。

民主党が、「民主党は嫌いだけど・・・」との自虐的なポスターを作った。自らの政党も好きになれない人たちに期待はできない。日本を嫌いな人が、日本を良くすることはできないのと同じことだ。

だから筆者の周りには、かつてマスコミに踊らされて民主党に投票し、その結果、失望し、反省し、今は、日本を良くするために、必死に安倍政権を応援している若者たちがたくさんいる。

彼らは、「民主党には二度と騙されない。だから、政党の名前だけを変えるだけの民維新党には騙されない。」と行動している。

夏の参院選への影響は、国民がマスコミ報道に惑わされず、自ら正しい・真実の情報を収集し、冷静に分析・評価、そして確かな判断をすれば、かつてのような間違いは生じないと考える。

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