「焦る三代目」

画像の説明 相次ぐムスダン発射失敗、「ノー」と言える幹部がいない北朝鮮

試験発射もせずに配備されたムスダン、発射失敗は予見されていた

北朝鮮が米国・日本を直接攻撃するため開発した「秘蔵の兵器」、ムスダン・ミサイルの発射に3回連続で失敗した。

15日の最初の発射が空中爆発に終わったのに続き、28日には早朝と夕方の2回にわけてムスダンを打ち上げたが、わずか数秒で墜落したり、数千メートル上空で爆発したりする結果となった。

韓国軍の消息筋は29日「北朝鮮が、射程3000-4000キロの中距離弾道ミサイル(IRBM)ムスダンを、ただの1度も試験発射せず2007年に実戦配備したときは、ある程度自信があるのだろうと思った。ムスダンの発射が100%失敗したことにより、『米国を核兵器で攻撃する』という金正恩(キム・ジョンウン)労働党第1書記の発言は、当分は現実になり難いと見られる」と語った。

北朝鮮がこれまで試験発射に成功し、実戦配備したミサイルの中で最も射程が長いのは、ノドン・ミサイル(射程1300キロ)だ。北朝鮮は、ムスダンの成功を通して日本とグアムの米軍基地を直接攻撃する能力を誇示しようとしたが、失敗の連続でメンツがつぶれた。

ムスダンの失敗原因は、まだ確認されていない。専門家らは、エンジンの欠陥や液体燃料系統の異常で失敗した可能性が高い、と見ている。

韓国軍当局は、北朝鮮が試験発射もせずにムスダンを実戦配備した時点から、失敗をある程度予見していたという。米国・ロシアなど弾道ミサイル大国も、初めて開発したミサイルの場合、必ず何度も試験発射を行ってから実戦配備する。失敗の過程を通して、ミサイルの信頼性を高めるのだ。

北朝鮮が試験発射もせずにムスダンを配備した理由は、旧ソ連から入手したミサイル技術を過信していたから、という分析もある。

北朝鮮は80年代末から90年代初めごろの旧ソ連崩壊前後に、旧ソ連の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)技術をまとまった形で手に入れたといわれている。

1992年5月には旧ソ連のSLBM開発責任者が平壌を訪問し、弾道ミサイル技術者を派遣する契約を結んだこともあった。ムスダンは、旧ソ連のSLBM「SSN6」(R27)を模倣し、その全長を3メートルほど伸ばしたものだ。ムスダンが旧ソ連の成功したミサイルをモデルにしているので、試験発射の重要性を見過ごした、という推定もなされている。

北朝鮮は、今回の失敗を契機として、既におよそ40基配備したムスダンIRBMの全面的な調査と改善に着手するものと見られる。

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