「この程度だと分かってはいたが・・」

画像の説明 東京都の舛添要一知事の「暴走」が止まらない。

韓国人学校への都有地貸与の方針を唐突に打ち出したかと思えば、今度はパリやロンドンへの贅沢三昧(ぜいたくざんまい)な海外出張に批判が集まるなど、このところ知事の独り善がりな行動と持論が目につく。

舛添知事、都民の血税を使って隣国に媚(こ)びるムダな「都市外交」はもうやめなさい!

舛添都政が誕生し、丸2年が経過して折り返し地点を迎えている。前任の猪瀬直樹知事のやり方への反省からか、当初は利害関係者に対して配慮しながら慎重な都政運営を行ってきた舛添知事だが、ここにきて、さまざまな点で綻(ほころ)びを見せている。

まず、何より綻びの象徴として目立つのが、一連の「都市外交」である。語学堪能で海外生活の長い舛添知事は、韓国や欧州各国を訪れるのに非常に熱心だ。今年度の予算でも、都市外交に3億円以上の予算が計上されている。

だが、「外交」は国家の専管事項であり、どこまで都市の首長が行うべきなのかという点については、当初から強い異論が示されていた。しかし、舛添知事は意に介することもなく、都市外交に注力する姿勢を強めている。

◆石原都政より見劣り

公会計の総計13兆円からなる東京都の予算規模にあっては、海外出張費などは知事にとって小さな問題なのかもしれない。だが、これほど大きな注目と反発を招いているのは、舛添知事の政策優先順位への大きな疑問である。

果たして、2年前の選挙で都市外交はここまで優先されるべき公約であったのか否か。それでも都市外交を推し進めようとする背景には、舛添知事の焦りがあるのだろう。

舛添知事が都政を預かって2年。はっきり言って明確な「成果」と呼べるものは少ない。国に先駆けてディーゼル規制や認証保育所制度など独自の政策を実現した石原都政に比べれば、明らかに見劣りする。

何としても目に見える実績を上げたい舛添知事は、都市外交の一貫で貴重な都有地を韓国政府に貸し出し、韓国人学校の用地とすることを独断で決定してしまった。これに対しても都議会や都民から異論が噴出している。

「保育園落ちた日本死ね!」という匿名ブログが話題となっていることに触れるまでもなく、現在、東京都で待機児童問題は深刻化の一途をたどっており、保育園に必要な用地はいくらあっても足りない。

加えて、障害者向けの特別支援学校や高齢者向けの特養施設など、土地がなくて「順番待ち」をしている都民のための福祉施設はめじろ押しである。そんな切迫した状況下で、どうして都市外交や外国人学校の設立が優先されるのか。舛添知事の「政治パフォーマンス」と受け取られるのもやむを得ないだろう。

◆厳しい都民の目

この2年間、さまざまな批判はあっても舛添都政が大きな失点をしなかったのは、好調な税収入に支えられている面が大きい。都税収入は5年連続で増加し、ついに一般会計予算規模はバブル期以来となる7兆円を突破した。

舛添知事は「必要なところに必要な予算をつける」と公言しているが、それが可能なのは潤沢な予算があるからで、都市外交にも注力する余裕があったわけである。しかし、税収入はいつまで好調を維持できるか分からない。

無駄があるところは削り、優先順位をつけて予算配分をしていくことこそが首長の役割であり、潤沢な予算にあぐらをかくことは許されない。比較的税収入に余裕のある今だからこそ、行政改革を行い、無駄の削減に努めるべきであろう。

東京五輪・パラリンピックへの負担額は増え続けている。そして、東京都にも例外なく「超少子化・高齢化」の波は押し寄せており、舛添都政には都民の厳しい目が注がれている。

こうした中で、いま優先されるべきは本当に都市外交というパフォーマンスなのか。今後、都議会からも手を緩めることなく追及、政策提言をしていきたい。

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