「他人のふり見て・・・」

画像の説明 中国メディア・捜狐は25日、「こうして見ると、日本は本当にとても恐ろしい」とする評論記事を掲載した。

日本の公衆マナーや社会制度、教育理念を「恐ろしい」といういささかオーバーな言葉で賞賛しているのだが、その節々に現在の中国社会に対する批判的な姿勢が垣間見える。

記事はまず、東京都庁付近の地下鉄駅では大きな人波が見られる一方で大声で話したり物音を立てたりする人がいないと紹介。

「他人に面倒をかけないという精神が、完全に体の中で消化されている」と評した。一方で、中国人は「己の欲せざるところ人に施すなかれ」という孔子の話を「単に口先で唱えているだけ」と断じ、「党規約や憲法、政治科目の作文は上手く書けても、その多くはリアルにならない」としている。

さらに「この国の社会の上層部が憲法をないがしろにするのに、どうして下層部が信号を守るというのか」という文句を「誰かが言った話」としてぶつけた。

また、子どもを甘やかせ過ぎない日本の教育についても評価。

「中国のように病気になったからといって何でも点滴を打たせることなく、子どもの強い自己治癒能力を認識している」と論じた。そして、日本人の仕事に対する意識の高さについても言及。

「清掃員であれば、任された場所をきれいに掃除することこそが愛国なのだ」と論じ、「ネット上の愛国主義者に聞きたい。あなたの仕事ぶりはどうなのか、とした。

記事は最後に、中国は日本の26倍の国土を持つ一方で、「中国は国土の40%が利用できないのに対し、日本に砂漠がないうえ海岸線が長く海洋経済区域が広い」とし、1人あたりの資源という点で日本に対するアドバンテージを持っている訳ではないと指摘。

「われわれは心をリセットし、『大中華、小日本』という概念を捨て去らなければならない。それで初めて素早く学び、抜き去ることができるのだ」と締めくくった。

これは決して日本を褒めたたえたいから書いた記事ではない。

美辞麗句なスローガンばかり並べて実の部分をないがしろにする「社会上層部」、自分の仕事も満足にできないのに口先だけで騒ぐ「愛国主義者」たちに対する皮肉や批判がこの記事の主眼と言えるだろう。

批判の度合いを強めたいからこそ、「恐ろしい」という言葉で日本社会の良い部分ばかりをクローズアップするのだ。

「ほめ過ぎだ。日本にだって悪い点はあるし、社会問題だらけだ」というクレームは、作者にとってはほとんど興味のない話なのである。

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