「どこの国の国会議員?」

画像の説明 拉致問題を民主党に語る資格があるのか 自分を棚に上げ、またもレッテル貼り?

在京各紙の13日付朝刊をチェックして驚いた。安倍晋三首相が自らの進退にまで言及した答弁が、ほとんど取り上げられていなかったからだ。12日の衆院予算委員会で、民主党の緒方林太郎氏が拉致問題をめぐり、「首相は拉致を使ってのし上がった男か」と質問した件に関してである。

首相、誰より熱心に

緒方氏は、拉致被害者の蓮池薫氏の兄で家族会元事務局長の蓮池透氏(後に家族会を離脱)の安倍首相らを批判した著書を論拠に、首相は拉致問題を政治利用してきたのかと執拗にただした。首相はこれに対し「私が言っていることが真実であることに(議員)バッジをかける」と強く否定していた。

詳しいやりとりについては、13日付産経新聞で報じているため省く。ただ、20年以上前から拉致問題に誰よりも熱心に取り組んできた安倍首相に対し、緒方氏はよくもこんな露骨なレッテル貼りのような質問ができるものだとあきれた。

「(緒方氏は)何も分からないからこんな本を真実だと思い、安倍首相の攻撃材料になると質問したのだろう。事実ではないことが明白な本を事実確認もせずに出す出版社もおかしい」

拉致被害者、有本恵子さんの父、有本明弘氏はこう指摘する。透氏の著書には「薫さん本人も当惑している」(政府高官)という。

当初の関心は低く
「(取り組み始めた)当時は拉致問題は全く誰からも顧みられなかったし、私もずいぶん批判を受けた」

安倍首相は予算委でこうも述べている。実際、平成14年9月の小泉純一郎首相の初の北朝鮮訪問で、金正日総書記が拉致を認めるまで、拉致問題に対する国民の関心は薄く、与野党とも問題を軽視していた。

筆者は小渕恵三内閣の10年秋ごろ、当時の野中広務官房長官と鈴木宗男官房副長官が「(拉致問題などで)北朝鮮を批判して跳びはねている安倍みたいなやつはけしからん」と話しているのを目の当たりに見た。

小泉初訪朝の発表後でさえも拉致問題はあまり重視されず、当時の古川貞二郎官房副長官は9月12日の記者会見でこう述べていた。

「(重要なのは)拉致問題で何人が帰ってくるこないということではない。そういうことがあればハッピーだが、それよりまず国交正常化に対する扉を開くことに大きな意義がある」

筆者は当時、官房副長官だった安倍首相が「小泉さんは拉致の『ら』の字も分かっていない」とうめくように漏らすのを聞いた。首相はかつて、産経のインタビューに当時の首相官邸の雰囲気をこう語っている。

「政府の中の何人かの主要な高官が、『大義は日朝国交正常化であり、拉致問題はその障害にしかすぎない』と言っていた」

こういう時代にあって、拉致問題に取り組むことは政治利用の道具・材料となるどころか、政治家にとってむしろ不利に働くことの方が多かっただろう。

そもそも、民主党に拉致問題で安倍首相を批判する資格があるだろうか。

民主党議員で、拉致実行犯で北朝鮮本国では拉致被害者の監視役も務めていた辛光洙元死刑囚の助命・釈放嘆願書に署名した人の名前は何人も思いつく。

それも菅直人元首相、江田五月元参院議長、千葉景子元法相…。

民主党政権で主要ポストにいた人物ばかりである。

民主党は、自分のことは棚に上げる癖をもう少し直さないと再び国民の期待を集めることなど無理な話だろう。

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