2018年11月1日よりタイトルをWCA(世界の時事)に変更しました。
「知事になっては見たものの」
辺野古移設承認取り消しに疑問の声 「辺野古住民の8割は容認」「法廷闘争で県の勝ち目薄い」
沖縄県の翁(お)長(なが)雄(たけ)志(し)知事が米軍普天間飛行場(宜(ぎ)野(の)湾(わん)市)の移設先である名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消したことで、政府と沖縄県は法廷闘争に突入する公算が大きくなった。だが、政府との対決色を強める翁長氏の姿勢には地元の移設容認派や有識者から疑問の声が上がる。
「国防は国の専権事項で地方が口を出す問題ではない。承認取り消しは理解できず非常に残念だ」。辺野古移設推進派の島袋吉和前名護市長は翁長氏の対応をこう批判した。
島袋氏は「県民すべてが反対のように報道されているが、地元の辺野古の住民は8割以上が条件付きで移設を容認している」と強調。「沖縄は基地問題だけではない。国と協力しなければ振興は進まない」と説明し、政府との関係悪化による沖縄振興の遅れに懸念を示した。
一方、安全保障に詳しい神保謙慶応大准教授は「埋め立て承認プロセスは法的に非常に固い。法廷闘争で県が勝つ可能性は限りなく低く、それは翁長氏も理解しているはずだ」と指摘。
「工事をさせない期間を引き延ばし、公約実行をアピールすることが翁長氏の目的になっている」との見方を示した。
そのうえで「翁長氏に勝算があるとすれば、県民の支持の盛り上がりだ。『世論戦』が最大のポイントになる」と分析。「政府は沖縄に『上から目線』の失礼な態度を取ってはいけない。感情的な反発を招けば本当に沖縄が反政府で一致してしまう」と述べた。