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「人食いバクテリア」

画像の説明 患者数284人、過去最多 感染研調査

「人食いバクテリア」と呼ばれ、手足の壊死(えし)や意識障害を起こして死に至ることもある「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の今年の患者数が8月中旬で284人となり、過去最多を更新したことが国立感染症研究所のまとめで分かった。

高齢者が重症化しやすいため、感染研は、手足の腫れや激しい喉の痛みなど感染が疑われる場合は、早急に医療機関を受診するよう呼びかけている。

感染研によると、年間の患者数は昨年が273人で調査を始めた1999年以降で最多だった。今年は8月16日時点で既に上回っており、都道府県別では東京45人、大阪28人、神奈川20人、千葉、兵庫両県各15人−−の順に多かった。

同感染症は87年に米国で見つかり、日本では92年に初めて報告された。主な原因菌の「A群溶血性レンサ球菌」は特別な細菌ではなく、へんとう炎やとびひ、皮膚炎などを起こすが、通常は抗菌薬で治療できる。症状がないまま喉などに保菌している子どももいる。

だが、傷口などから細菌が体に入ると、重症化する場合がある。初期症状は手足の痛みや腫れ、38度以上の発熱などだが、進行は速い。筋肉や筋膜を壊死させたり、血流に乗って全身に回り多臓器不全などを引き起こしたりする。発症して数十時間以内にショック状態で死ぬこともある。

東京女子医大の菊池賢教授(感染症学)は「原因菌の感染は子どもによく見られるが、劇症化は30代以降、特に60代からが多く、その理由は不明な点が多い。傷や水虫から細菌が体に入る高齢者がいるので周囲も注意してほしい」と話している。

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