韓国メディア総スカン

画像の説明 「独善と不通を再確認させた」朴槿恵大統領の年頭会見

12日、ソウルの大統領府で年頭記者会見を行う韓国の朴槿恵大統領。大統領単独の正式な記者会見は、就任後2回目という少なさだ(AP)

韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領(62)が12日、大統領府で年頭記者会見を行った。朴大統領単独の正式な記者会見は2013年2月の就任後、なんと今回で2回目。その少なさに加え、その中身についても韓国メディアから不評を買った。

年1回だけ、質問も制限

主要紙、中央日報(電子版、14日)はコラムで、「この国は大統領が会見を1年に1回だけするおかしな国になってしまった」と皮肉った。
年頭会見では、質問できる記者の人数があらかじめ制限されていたため「記者は決められた順にテーマを提示し、大統領の考えを尋ねた。大統領の考えを聞くだけなら、国政演説と変わらない」とし、「根本的に朴大統領のせいだ。大統領が会見を1年に1度しかしないため、時間がなく、後続の質問ができない」と、不満をぶつけた。

一方でコラムは「ひと言でメディアの完敗だ」として報道側の問題も指摘した。朴大統領が自身に都合の悪いことはうまくかわしていると批判したが、「会見の方法が誤っていた上、メディアの刃が鈍かったからだ」とした。そのうえで、「会見がきちんと行われるには、メディアが権力を問い詰めなければならない」と、大統領と厳しく向き合う必要性を主張した。

自己反省なく、責任転嫁

左派紙、京郷新聞(電子版、12日)は、「『独善と不通(プルトン)』再確認した朴大統領の年頭会見」と題した社説を掲載した。

「不通」とは、周囲と意思疎通ができないといった意味で使われている。朴大統領は閣僚や大統領府の関係者をはじめマスコミとも距離を置くためか、“不通大統領”と呼ばれている。

社説は、大統領府の内部文書が流出し、元側近の国政介入疑惑が報じられた騒動について触れ、「大統領府の刷新を期待したが、記者会見の内容は失望この上ない」と断じ、朴大統領の周囲や大統領府に自己反省はなく、他人のせいにばかりしている点を批判した。

続いて「秘線(秘密裏に接触している人物)の国政介入疑惑、大統領周辺での権力暗闘、現政権の閣僚と秘書官が証言した“門番”秘書官(3人の最側近)の人事介入、大統領府文書流出、民情首席秘書官が国会運営委員会への出席要請を拒み、辞意を表明したことなど」と列挙した上で、「いずれも誤っていることなど何一つもないという認識が恐ろしいほどだ」とあきれ、「『不通政治』と閉鎖国政運営の変化を期待するのは、それこそ木に縁(よ)りて魚を求むことだ」と失望感をあらわにした。

疎通ができない内部構造

社説によれば、記者会見では「不通」についても指摘されたが、朴大統領は「疎通はうまくいっている」と反論したという。しかし「各種世論調査で、国民が朴大統領のいちばんの問題点とみているのが『疎通不足』だ。大統領は、一体誰とコミュニケーションをよく取っているというのか。国民と大統領間の溝がこのように大きいから『不通大統領』という汚名から脱げ出せないのだ」と、大統領の反論を一蹴した。

保守紙、東亜日報(電子版、14日)は、大統領府担当記者に関するコラムを掲載し、年頭会見にも触れている。「大臣との対面報告を増やすべきではないかと問う記者に『大統領府を担当しているのに全く分かってない』と述べた。

だが、対面報告が行われていないという指摘は、大統領府の内部や与党の一部からも出ていることを大統領は分かっていないのか。ブリーフィングルームとトイレ、大統領府の庭のみしか行き来できない『大統領府担当記者』が気の毒だ」と問題視した。

左派紙、ハンギョレ(電子版、12日)は、「年頭記者会見で露呈した変わらぬ不疎通」という見出しで、「疎通ができない大統領府の内部構造をそのまま現したという評価も出てきた」と記した。

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