中国、香港の委員解任

画像の説明 全国政協 「長官辞任」発言問題視

中国メディアによると、中国の国政諮問機関、全国政治協商会議(全国政協)常務委員会は29日、香港選出委員の田北俊氏(67)を解任することを決めた。選挙制度改革を巡る香港の混乱が続く中、梁振英行政長官に辞任を促す発言をしたのが原因とみられる。

全国政協委員が腐敗などのスキャンダル以外で解任されるのは極めて異例。共産党と中央政府が梁長官への支持を表明する中、香港の親中派が足並みを乱すことは許さないという中国側の強い意向を示す動きだ。

香港メディアによると、香港の親中派政党の一つである自由党最高幹部の田氏は24日、梁長官について「(混乱収拾のため)辞任を考えるべきだ」と記者団に発言。国営中央テレビは、田氏が忠告を聞かずに公の場で発言したため、全国政協は「香港行政長官による執政を積極的に支持する」とした3月の「政治決議」に反すると判断した、と伝えた。

中国は香港情勢にいらだちを募らせつつも、学生らの要求に安易に応じて民主化要求のうねりがさらに強まることを懸念し、梁長官への「支持」を繰り返し表明している。田氏の発言は党中央と香港親中派の連携の乱れを示すものだけに、厳しい処分で引き締めを図ったとみられる。

決定を受けて最高幹部の職を辞した田氏は「北京の指導者がこんなに関心を持つとは思わなかった。決定は受け入れる」としつつ、「外ではこんなにたくさんの人が(占拠を続けて)いる。状況は変わっておらず、発言の根拠は十分あると思う。発言は撤回しない」と強調した。

全国政協は各界の名士や一線を退いた高官、軍人らでつくる中国の政治機関。政策への実質的な影響力は限られているが、少数民族や海外華僑などとの統一や融和を目指す「統一戦線」を担っており、香港の政財界からも親中派の要人が委員に選ばれている。

田氏は2003年から全国政協委員を務め、3期目だった。

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