日の丸ジェット機

画像の説明 いよいよテイクオフ ハイテク満載で燃費も良好

絶えて久しかったメイド・イン・ジャパンのある乗り物が、よみがえりそうだ。カテゴリーはジェット機。いよいよ形になってきた。

今日の世界の航空機産業において、日本は重要部品の供給国に位置づけられている。しかし、そのポジションは間もなく変わるのかもしれない。なぜなら、いま開発中の“日の丸ジェット機”が、かなり具体的な段階を迎えているからだ。

あと3年以内に、世界の空で活躍しそうな2タイプの国産ジェット機がある。先陣を切るのは「ホンダジェット」。

同機は、2006年より本田技研工業(本社:東京都港区)の子会社であるホンダ エアクラフト カンパニー(アメリカ・ノースカロライナ州)により、世界のエグゼクティブの移動手段にと開発がスタートした7人乗りの小型ジェット機だ。デザインはユニークで、空気抵抗を考慮してエンジンは翼の上に配した。その結果、燃費向上と機内の静寂さや広さなど快適な乗り心地を実現している。

先月6月にはアメリカで、販売タイプと同じ量産機の飛行テストにも成功。来年早々には、飛行に必要なFAA(アメリカ連邦航空局)発行の型式証明も取得予定であり、間もなくテイクオフだ。価格は1機450万ドル(約4億5,000万円)。

また座席数70~90で中・近距離の地域間輸送用ジェット機(リージョナルジェット)となる「MRJ(三菱リジョーナルジェット)三菱航空機・本社:愛知県名古屋市、三菱重工業・本社:東京都港区および神奈川県横浜市」も、今年6月に飛行試験機へのエンジン搭載が完了した。現在、2015年の初飛行に向けて仕上げ作業が急ピッチで進む。同機も、最新のテクノロジーを駆使して燃費軽減、そして騒音・排ガスの削減と、機内の快適さが特徴となっている。

ただし気がかりなのはスケジュールの遅れ。初飛行も当初は2014年だった。2017年には、すでに注文のある全日本空輸(本社:東京都港区)などへの納品もある。1機が約42億円といわれるMRJ、誕生に向けて、いまが正念場といえる時期かもしれない。

一方で「先進技術実証機」なる試作機の開発も着々と進む。これは、今後世界の主流となるステルス戦闘機に対する防衛システムの検証と、将来の国産戦闘機開発への活用も可能なデータ収集・研究の一環となるものだ。したがって試作機も武器は未搭載だが、国産初のステルス機となる。2009年から、防衛省と三菱重工業ほかで始まった同計画の期間は8年。

研究総経費は約393億円。今年中には、試作機の初飛行が実施される運びだ。

日本の国産旅客機は約40年前に生産が終了した「YS11」以降、途絶えている。部品の供給だけでなく、世界に売り込める国産ジェット機の登場に期待が高まる。

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