「賢明な選択」

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東京2020オリンピック・パラリンピックが延期される方向だ。安倍総理が昨日、国際オリンピック委員会(IOC)が武漢ウイルスの影響で今夏開催の東京五輪の延期を決めた場合は受け入れる意向を表明した。首相が延期を容認する姿勢を示したのは初めて。首相は「中止は選択肢にない」とも語った。今までは「延期や中止を前提とした検討は行っていない」というスタンスだったが、IOC内の延期論や国際世論を意識し、舵を切った格好だ。

海外では延期を求める声が相次いでいた。カナダ五輪委が「予定通り今夏の五輪開催となった場合は選手団を派遣しない」と不参加を示唆し、オーストラリア五輪委は、来夏の開催を前提に準備するよう同国選手に指示していたという。IOCの「延期を含めて検討する方針」という表明を受け、米国の五輪委も「われわれの懸念やニーズを聞き入れてくれたことに感謝する」と歓迎するコメントを出した。武漢ウイルスのパンデミックに振り回される各国にとって、五輪どころではないというのが実際のところだったのだろう。

日本の世論も延期を歓迎するだろう。直近の世論調査を見ると、朝日の調査で「延期すべき」が63%、FNN・産経の調査で「延期」が70.2%と、大多数を占めている。「予定通り開催」、「無観客での開催」は極めて少なく、国民も「五輪らしい五輪」を期待していることがわかる。また、ウイルスのエピデミックを抑制できている日本にとっては、欧州や南鮮の現状を目の当たりにし、海外からの「ウイルス持ち込み」に対する強い懸念があるはずで、これも「延期」を推す要因となっていると思われる。

安倍総理は過日、「完全な形での実施」を明言したものの、開催時期については答えなかった。総理はこの時点で延期を検討していたのだろうと思う。「完全な形」という表現に、たとえ延期をしてでも、武漢ウイルス/肺炎をのために不参加を表明する国がなくなり、無観客などという盛り上がりに欠ける大会開催を避ける意図だと私は受け取った。また、いまだ感染者や死者が増え続ける中で開催を宣言すれば、それは日本のエゴだと思われる可能性も否定できない。多くを勘案すると、五輪延期は賢明な選択であり、IOCの「延期を含めて検討する方針」は渡りに船だったのだろう。

東京2020は、ラグビーワールドカップ日本大会と並び、東日本大震災の克服を象徴する大会と位置付けられてきた。安倍総理は昨日の予算委員会で、「世界が(新型)コロナウイルスに打ち勝った証しとして完全な形で実施していきたいと考えてきた」と語った。東日本大震災の克服という日本ローカルのレガシーと、武漢肺炎の克服という国際社会のレガシーが、同時に確認できる大会としてもらいたい。

おまけに、7~8月と言う酷暑の時期をずらす大会を開催できれば、それも成果の一つとなろう。どういうかたちになるにせよ、中共選手団はどんな顔をして参加するのだろうか。

スポーツに政治を持ち込まないという原則はあるにせよ、多数の死者を出した国にとっては、五星紅旗は負のアイコンとして疎まれるものになるかもしれない。

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