【台湾・総統選】敗北者は中国共産党

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【台湾・総統選】敗北者は中国共産党 米国亡命中の中国民主化活動家、薛偉(せつ・い)氏

台湾の経験は将来、中国の民主化の重要な参考になると考えているため、台湾の政治変化を長年、観察してきた。今回の総統選はこれまでと異なり、台湾の内政問題が争点になることが少なく、対中政策が最も重要な議題になった。ある意味で言えば、中国が影の主役だった。
 
中国の習近平国家主席は昨年1月、台湾に「一国二制度による統一」を改めて呼びかけ、台湾への浸透を強化したが、これが裏目に出た形となった。
 
選挙期間中、民進党の蔡英文候補は終始、中国による選挙介入を厳しく批判。国民党の韓国瑜候補も「共産党の代理人」とのイメージを払拭するため、中国との距離の近さを否定し続けた。

選挙の後半、韓氏でさえ、習氏が提唱した「一国二制度による統一」を拒否するようになった。中国は今回の選挙に莫大(ばくだい)な人と金を投入したにもかかわらず、期待する効果が得られなかったといえる。
 
米国が台湾を支援する姿勢を強化したことも中国にとっては誤算だ。中国からの資金流入などを阻止するために、米国はさまざまな形で台湾の捜査当局に協力したと聞いている。米台関係は今後、ますます親密化していくとみられる。
 
さらに、一連の露骨な選挙介入で生じた台湾民衆の対中不信を、中国が今後、短期間で払拭することは難しい。今回の選挙の最大の敗北者は、中国共産党といっても過言ではない。

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