「九条の会は日本を窮状に追い込む会」

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九条の会は日本を窮状に追い込む会
全世界のアメ通読者の皆様、山岡鉄秀です。

小雨がぱらつく夕方、私は都内の電車の駅から地上に降りるエスカレーターに乗っていました。
すると、地上でエスカレーターを両側から挟むように、雨合羽を来た老人が無言で通行人にビラを差し出しています。
左側は70歳代か80歳代のお爺さん。右側はやはり同世代のお婆さん。

なんでまたこんなご老人たちがビラ巻きなどしているのか?エスカレーターを降りる人は誰もビラを受け取らず、無言で避けるように立ち去って行きます。
お爺さんもお婆さんも、修行僧のように無言のままです。痛々しくて見ていられません。

高齢者福祉充実要求のビラでも撒いているのか?

私はお爺さんからビラを受け取ることにしました。しかしそれは、福祉充実ではなくて、「安倍9条改憲NO!私たちは、日本がふたたび海外で戦争する国になるのはゴメンです」と書かれた「九条の会」のビラでした。

歩きながらビラを眺めて、「九条の会」の方々が、理想主義というよりも、非常に偏狭な視野と思想の持主であることが一目瞭然でした。

この方々にとって、戦争とは、日本が外に出て行って外国と戦争を始めることで、それ以外の戦争は想定していないようです。

今の日本にとっての差し迫った課題は、いかに近隣国の覇権主義的進出から日本を防衛するか、なのですが、外国が攻めてくるなんて絶対にあり得ないと信じ込んでいることがわかります。

この団体のホームページに行ってみると、ポスターもありました。そこには若い男女が大写しになり、こう書いてあります。

「ゆくのはわたしら 集団的自衛権の行使は海外で戦争すること」
つくづく身勝手な発想だと嘆息しました。

この人たちは、日米安保条約なしで日本の防衛ができると思っているのでしょうか?

サンフランシスコ講和条約と同時に締結された日米安保条約は、その前文に、「国際法で認められている集団的自衛権の行使としてこの条約を結ぶ」と明記されています。

つまり、日本は独立回復と同時に70年近くに渡って集団的自衛権を行使しているのです。今更集団的自衛権が違憲だとか、その行使がそく戦争、それも海外で戦争を始めることに繋がると短絡するのはあまりにも無責任で身勝手です。

むしろ、いかに集団的自衛権を自国防衛のために有効に活用するか?それこそ直接関係のない海外の戦争に巻き込まれないようにどう歯止めをかけるのか、を真剣に議論しなくてはなりません。

しかし九条の会は訴えます。

外国が攻めてくることは絶対にない。戦争とは日本が外国で始めること。九条があればそれを防げる。自国防衛のための集団的自衛権行使は見て見ぬふりをする。

ホームページに並ぶ、有名文化人たちの顔を眺めながら、この方たちの知性とはいったい何なのだろう?と思わずにはいられませんでした。

それぞれの分野で卓越した業績を上げている優れた知性の持主のはずなのに、ここまで短絡的で無責任で非現実的な思想に疑問をもたず、小雨の中で老人にビラ配りをさせるとは!

有名文化人の写真の中に、田原総一朗氏の顔を見つけて、この人もそうだったのか、と思いました。長年政治の第一線と向き合って、様々な政治家や知識人と議論を交わす機会に恵まれながら、田原氏は本当に九条さえあれば戦争を防げると信じているのでしょうか?

ちらつく「日本」で始まる政党の影

田原総一朗氏といえば個人的に思い出深いのが、1991年1月にある米系企業で開催された講演会です。

中東ではアメリカが率いる多国籍軍がクエートに侵攻したイラク軍と対峙していました。いつ戦争が始まるのかと世界中が固唾をのんで見守っていました。

若かりし田原氏は明朗に語りました。
「僕は85%の確率で戦争は起こらないと思う。どちらにとっても得にならないからです」
その数日後、多国籍軍の攻撃が始まり、第一次湾岸戦争が始まりました。

アメリカは最初から戦争をするつもりだったのです。あの時、若かった私も現実の恐ろしさを思い知ることになりました。田原氏もそうだったと思ったのですが。

そんなことに思いを馳せていると、不意にお爺さんやお婆さんの後ろから、若い男性の大きな声がしました。拡声器を持った若い男性がリーダーだったようです。

「みなさん、こんばんは。こちらは日本…あ、いや、九条の会です」

「日本」で始まる政党が日本にいくつあったでしょうか。やはり、そういうことなのだな、と思いながら駅を後にしました。

現実を完全に無視した九条の会の独善的平和主義が流布したら、85%どころか、100%確実に日本を窮状に陥れることでしょう。そう、九条の会は窮状の会に名称を変更すべきです。

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