「日本の世論は「断韓」に向かっている」

画像の説明

1.中国に縋り始めた韓国

9月15日、中国国営メディアのグローバルタイムズは、7~8日に北京で開催された第3回太和文明フォーラムで文正仁・統一外交安保特別補佐官文特別補佐官にインタビューした内容を掲載しました。

文特別補佐官は現在の日韓関係についての質問に「中国は韓国と日本の間の重要な仲裁者になることができる……今までは米国がその役割をしたが、これからは中国がする時だ……韓日中3カ国の協力は北東アジアの平和と安定、共同繁栄のために非常に重要だ……中国が韓日間の隔たりを狭めるのに積極的な役割をすることを望む」と述べました。

また、GSOMIAの破棄の理由については、「非常に簡単だ……日本は韓国を信頼できないために経済制裁をすると言う。日本が我々を信頼しないのなら、どうやって敏感な軍事情報をやり取りできるのか……2015年に慰安婦問題で韓日葛藤が深まると、オバマ政権が介入して隔たりを埋めた……

しかしトランプ政権は介入せず韓日間の問題だと話した。これが韓日葛藤がさらに深まった理由の一つ」と説明し、GSOMIA破棄が米韓同盟に及ぼす影響については「GSOMIAは韓日間の協定だ。米国が韓日間の協定を締結するよう仲裁したとはいえ、米国はこの協定といかなる関係もない」と述べ、日米韓3ヶ国間の国防当局間の情報共有に関する取り決め(TISA)が別にあるとの認識を示しました。

GSOMIAが日韓の協定で、アメリカが無関係というのなら、なぜGSOMIAを盾にして、アメリカに日本の仲裁を依頼しようとしたのか。それがトランプ政権が何もしてくれなさそうだからと中国にすり寄るどころか、仲裁を依頼する。

アメリカのCSIS(戦略国際問題研究所)のマイケル・グリーン副所長は、9月4日、アメリカ議会・米中経済安全保障調査委員の米中関係聴聞会で、韓国について「日本とは異なり、韓国は中国の冊封体制に歴史的に組み込まれてきた。習近平政権以降、中国は韓国を米国との同盟から引き剥がすため、とてつもなく強力な圧力をかけ続けている」と韓国が中国の元属国であると証言していますけれども、それを証明したかのような言動です。

それでいて、「GSOMIA終了決定が米韓関係にマイナスの影響を及ぼすとは見ていない」とは、厚顔無恥を超える面の皮の厚さです。

アメリカを怒らせることしかしていません。

2.GSOMIAはTISAでは足りないから結ばれた

文特別補佐官はGSOMIAがなくてもTISAがあるから問題ないとの見解を述べていますけれども、彼は、TISA締結後にアメリカの強い要請で韓日がGSOMIAを締結した事実について触れていません。

GSOMIAへの動きは北朝鮮による核・ミサイル開発の進展や、2010年3月の哨戒艦「天安」撃沈事件、11月の延坪島砲撃事件など北朝鮮の軍事挑発が深刻化した2011年頃から始まりました。日韓両国は、軍事情報共有体制の向上を課題として協議を続け、2012年6月に署名直前まで漕ぎつけたのですけれども、なんと署名1時間前に韓国側が国内政治への配慮を背景に署名を延期したこともありました。

その後もGSOMIA締結に向けての働きかけが行われて来たのですけれども、締結までの補完措置として2014年12月に交わされたのが、アメリカを仲介者とする「日米韓三カ国情報 共有取極」いわゆるTISAです。日米韓TISAは、北朝鮮の核・ミサイル関連活動に限定した情報共有の枠組みで、日韓が直接情報をやりとりする代わりに、アメリカが仲介する形で日韓の秘密情報の受け渡しをする協定です。

けれども、アメリカを中継する情報のやりとりは、秘密開示区分の調整やアメリカが日韓双方の了承を得るなど、手続きが煩雑となり、必ずしも使いやすいものではありませんでした。従って、アメリカは2012年のGSOMIA署名延期以降も、日韓両国にGSOMIAの正式な締結を強く後押ししてきました。

日韓GSOMIAが締結されたのは2016年のことですから、都合6年も掛かって結ばれた協定です。それがこんな形で保護にされてしまっては、堪ったものではありません。

更に、文特別補佐官は在韓米軍の防衛費分担について「昨年も我々は米軍に10億ドルを出すことで合意したが、もう米国は約50億~60億ドルを出すよう要求している。これは過度であり、韓米間の紛糾につながるだろう」とし、「米国が韓国に中距離弾道ミサイルを配備する必要性を示唆したが、韓国の官僚が反対した。この点が将来問題になることも考えられる」とも述べています。

一応、「同盟は国益増進のための道具であるだけに、我々はこのような隔たりを克服するだろう」と話してはいますけれども、中国メディアに、米韓関係がギクシャクしていることを堂々とコメントする当たり、中国に助けてください、また属国にさせてくださいとお願いしているかのようにさえ見えます。

3.微塵も変わるものではない

では、日本はどうなのかというと、方針に変更はありません。

9月15日、韓国大統領府関係者は、国連総会を契機とした日韓・日米韓首脳会談の開催計画を問われると「選択と集中をしなければならない。さまざまなことをすべて解決しようという場だと言うよりは、選択された日程を中心に進められるのではないかと思う。韓米首脳会談に集中すると解釈すればいいだろう」と、日韓関係の改善より米韓首脳会談を優先する姿勢を明らかにしています。

これについて、ソウルの外交消息筋は「日韓首脳が『会うことによる実益がない』と判断しているだけに、今回も会談の可能性は低い。両国の確執がさらに激化している中、6月末の大阪でのG20サミット時の『8秒間握手』のような場面もないかもしれない」と言ったそうですけれども、ホストでもない日本から握手を求める理由などありません。

9月11日、安倍総理は内閣改造後の記者会見で、韓国に対する外交政策について「新しい体制の下でも微塵も変わるものではない……韓国には国と国との約束を守っていただきたい」と、方針変更はないと断言しています。

また、ネットでは早くも、その切れ味で評判になっている茂木外相も、韓国について「判決は協定に明確に違反している……国際法違反の状態を一刻も早く是正することを引き続き強く求めていく」とバッサリ。菅義偉官房長官も「協定で最終的かつ完全に解決済みだ」とがっちりスクラムを組んでいます。

日本の外務省関係者は東京駐在の韓国特派員達に「問題解決の兆しが見えなければ、安倍首相に首脳会談をしようと言えない……両首脳が会ってうまくいかなければ、その次はない」とコメントしたそうです。

東京の外交消息筋は「日本としては2011年12月に李明博統領と野田佳彦首相による京都首脳会談の失敗が翌年の李大統領の独島訪問につながったという記憶があるため、いっそう慎重になっている面がある」と指摘していますけれども、どっちにせよ、ボールは韓国が持っていることには変わりなく、韓国側の立場の変化がなければ何も進まないということです。

4.日本の世論は「断韓」に向かっている

「文在寅の弱点は何処か」のエントリーでも紹介した、毎日新聞記者で元ソウル支局長の澤田克己氏は、8月下旬にソウルで開かれた「日韓フォーラム」に参加した際、あるセッションの基調発表で「最近の日韓関係において、韓国は日本が重視する信頼を失い、日本は韓国が重視する礼儀を失った。その結果、今回の対立は深くて長い後遺症を残すだろう。対立を取り繕うことができても、以前のような関係を回復させることはできない。新たな関係を再構築しなければならない」と語られたことを紹介しています。

この発言は、大きなインパクトを与えたそうで、多くの出席者が肯定的に引用しながら発言し、また他の参加者からも「日韓関係は転換点に立っている」との指摘もあったようです。

また、会議では、日韓が基本条約や請求権協定を結んで国交正常化した1965年と現在では情勢が全く違うという指摘も少なくなく、当時は貧しい小国だった韓国が力を付け、日本と対等なパートナーとなっているのに、そうした構造的変化に双方の意識が追いつけていないとの指摘を踏まえ、澤田氏は、ここ数年の対立激化は、そうした大きな変化を反映したものであり、今までのように「関係が良くなったり、悪くなったり」という循環では捉えきれない理由になっている、と述べています。

澤田氏は更に、戦後70年以上も経ったことで日韓併合時代から続いてきた両国間の人脈は失われたことなどに触れ、日韓関係は「以前のような関係を回復させることはできない」と結論づけています。

筆者もこの意見には賛成です。2002年日韓W杯辺りを境として、韓国の”生”情報が続々と日本に入ってくるにつれ、彼の国の本性を知る日本人が増えた結果、今があるのですから、それに従った関係にシフトするのは当然のことでしょう。

一方的に日本を悪者にして謝罪と賠償を求め、甘え、ちょっと反論されると途端に逆切れする。昔、流行って定着した「嫌韓」から、今や「断韓」という言葉が語られるのも、日本人の韓国に対する意識の変化を示していると思います。

「知れば知るほど嫌いになる国」とはひと昔に言われていましたけれども、今や「関わり合いに成りたくない国」「どうでもいい国」に民間レベルでシフトしていることを踏まえた上で政府も事に当たるべきではないかと思いますね。

コメント


認証コード0080

コメントは管理者の承認後に表示されます。