「ミサイル技術流出疑惑」

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文在寅の本音とミサイル技術流出疑惑

1.トーンダウンした文在寅大統領の本音

8月15日、韓国の文在寅大統領は忠清南道の天安市にある独立記念館で行われた「光復節」の記念式典で、演説しました。

演説全文はこちらで訳されていますけれども、これまでの対日批判を大きくトーンダウンさせ、表向き日本との対話や協力姿勢を打ち出しています。マスコミは。これ以上の対立激化を回避したい思惑があると報じています。

演説から筆者が気になった部分を次に引用します。
《前略》

私達は過去にとどまらず日本と安保・経済協力を続けてきました。

日本と共に日帝強占期の被害者たちの苦痛を実質的に治癒しようとし、歴史を鑑とし固く手を結んでいく立場を堅持してきました。

《中略》

今からでも日本が対話と協力の道に出てくるのならば私達は快く手を握ります。公正に交易し協力する東アジアを共に作っていくことでしょう。

《中略》

「北朝鮮がミサイルを撃つのに何が平和経済か」と言う人々がいます。しかし私達はより強い防衛力を保有しています。

私達は鋭意注視しながら朝鮮半島の緊張が高まらないよう管理に万全を期していますが、それもやはり究極的な目標は対決でなく対話にあります。

米国が北朝鮮と動揺することなく対話を続け、日本もまた対話を推進している現実を直視するよう望みます。

理念にとらわれ一人ぼっちで取り残されないよう願います。

《中略》

遅くとも2045年の光復100周年には平和と統一で一つになった国(One Korea)へと世界の中でそびえ立てるよう、その基盤をしっかりと整えていくことを約束します。

《中略》

私達の力で分断に勝ち、平和と統一に向かう道が責任ある経済強国に向かう近道です。私達が日本を追い越す道で、日本を東アジア協力という秩序に導く道です。

《後略》
前半では、日本がこれまで元慰安婦らの補償に取り組んできたことを評価し、日本との協力と対話を求めるといった内容なのですけれども、後半では、その本音が漏れています。

あくまで北朝鮮には対話で臨むとし、アメリカと日本にも対話を要求。そして遅くとも2045年には統一朝鮮を立てるとしています。

そして、統一朝鮮の過程で"日本を追い越し"、"日本を東アジア協力という秩序に導く"と述べているのですね。

やはり、文在寅大統領の頭の中には、「日本を超え、日本を従えさせたい」という願望が潜んでいて、それが演説にポロリと出たのではないかと思うのですね。

果たして、文在寅大統領のいう"東アジア協力という秩序"なるものが、何なのか明言してはいませんけれども、これまでの文政権の言動をみる限り、日本を永遠の戦犯国として、永遠にタカリ続けるというものではないかと警戒せずにいられません。

2.韓国の軍事技術横流し疑惑

筆者は、文政権の対日行動は、戦後秩序を破壊するものだと述べていますけれども、更に韓国は戦後秩序と並んで、米韓同盟も破壊するのではないかとも疑われています。

8月10日、北朝鮮は新たなミサイルを発射し「もう一つの新しい兵器システム」を完成させたと公表しました。

韓国軍合同参謀本部は、北朝鮮が短距離弾道ミサイル2発を発射したと発表。高度は約48キロ、飛翔距離は約400キロ、最大飛行速度はマッハ6.1以上で、ロシア製「イスカンデル」の北朝鮮版「KN23ミサイル」の可能性が高いと分析しました。

ところが、翌11日、北朝鮮が発表したミサイル発射の写真は、イスカンデルとは全く異なる新型短距離弾道ミサイルであり、その形状はアメリカのATACMS短距離弾道ミサイルに酷似していることが分かりました。

ATACMSは、ロッキード・マーティン社により製造されている地対地ミサイルで、アメリカ陸軍を中心に使用されています。

M26ロケット弾よりも長射程で命中精度の高い弾体として開発されたものの、慣性誘導システムで目標まで導かれるため、ロケット弾ではなくミサイルのカテゴリーに入ります。

ATACMSには射程165キロの初期型のブロック1と、GPSを利用することで射程を248キロに延長したブロック1A。そして、改良型の改良型のブロック2と、有効射程を300キロにまで伸ばしたブロック2Aとがあります。

韓国陸軍はこのATACMSのブロック1を111基、ブロック2Aを110基購入しています。

北朝鮮が発射したミサイルについて、軍事ブロガーのJSF氏は、北朝鮮は『新型兵器』こと北朝鮮版ATACMSをイスカンデルと同時並行して開発し、その性能はイスカンデルより若干射程は短い程度で性能面や大きさであまり遜色がないように思えると述べたした上で、「今年5月からの北朝鮮飛翔体発射は8月11日現在までに7回2発ずつ合計14発で、明確な失敗は1発だけと推定され、全て新型の試験発射なのに成功率は非常に高く、北朝鮮のミサイル開発能力は侮れない」と指摘しています。

ということで、ATACMSの技術が、韓国から北朝鮮に流れたのではないかとも囁かれているのですね。

これについて、元陸上自衛官で軍事評論家の西村金一氏は、アメリカ軍から韓国に供与された兵器が北朝鮮に流れたとするならば、米韓軍事同盟関係を揺るがす大事件に発展する可能性があり、また、北朝鮮が嘘の情報を流しているとするならば、米韓軍事同盟を離間させるための情報工作ではないかと指摘し、日米韓の情報機関が総力を挙げて解明すると共に、韓国から絶対に技術情報が漏れていないと確信できるまでは、重要な情報交換は控えるべきだと述べています。全くその通りですね。

韓国が、アメリカと日本に北朝鮮と対話しろと要求する裏で、北朝鮮に軍事技術を横流ししていたとしたら、同盟の裏切り行為のみならず、東アジアを危機に晒す行為になりかねません。

文在寅大統領のいう"平和"だの、"対話"だのを言葉通りに受け取るのはちょっと危ういのではないかと思いますね。

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