「米国の仲裁はいらない」

画像の説明

個人的に、青瓦台がGSOMIA(軍事情報に関する包括的保全協定)の破棄を示唆するような言動を見せている理由には二つの可能性があると思っている。ひとつは、北の首領さまからの指示だ。

北朝鮮にとって、GSOMIAは北朝鮮にとっては邪魔でしかなく、日米韓の連携に楔を打ち込めるのであれば、その破棄を南に対して積極的に働きかけるだろう。北と通じているといわれる青瓦台にも、そういう「要請」があったとしてもおかしくない。

もうひとつは、日韓の関係修復に米国を引きずり込むことだ。もはや、日本政府は南鮮にとって「ごねれば引く」相手ではなく、彼らが今まで取ってきた戦術が通用しなくなっていることを痛感しているだろう。日本側が引く気配を見せず、当事者である青瓦台には日韓間の問題を処理する能力はない。とするなら、青瓦台には第三者の関与が必須となる。GSOMIA破棄の示唆は、米国が最も敏感に反応するであろうマターであり、青瓦台がそういう餌をまいたとみれば、筋書きは成立する。

そんななか、南鮮が狂喜乱舞するような報道が、ロイターから発信された。

米国務長官、日韓関係の修復支援へ外相会談で対立解消促す方針 (ロイター)

ポンペオ米国務長官は31日、米国の2大アジア同盟国である日本と韓国の外相と今週バンコクで会談する際に、両国間の外交摩擦の解消に向けた「道筋を見いだす」よう促す方針を明らかにした。

ポンペオ長官は今週バンコクで開催される東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)に合わせて日韓の外相と個別の会談を予定しており、その後、3者会談も行う予定。

長官はバンコクに向かう機中で、記者団に対し「前に進む道筋を見いだすよう促す」と述べた。
「両国とも米国の偉大なパートナーだ。北朝鮮の非核化に向けた米国の取り組みにおいて、われわれと緊密に協力している。双方にとって望ましい状況を見つける手助けができれば、それが米国にとって重要と考える」と語った。

日韓両国と同盟を結ぶ米国が提示するといわれるのは、いわゆる「休戦協定」で、手っ取り早く言えば時間稼ぎである。「両国が対話できるようになるまで、追加の措置を当面見送ろう」と呼びかける内容だという。これに合意してしまえば、日韓関係は「従来型」の曖昧なものに戻る。

この休戦協定は、南鮮が「外交交渉で日本を踏みとどまらせた」というアピールの材料を得ることになる一方、日本にとっては何のメリットもない。それどころか、「米国の圧力に屈した」、「最終局面で日和った」という汚点だけが残り、この南鮮への対応を以て安倍政権を評価する支持者を落胆させる。そんなことは百も承知の政権は、米国の仲裁案を受け入れない考えだそうだ。

政府、韓国除外方針を維持

政府は、安全保障上の輸出管理で優遇措置を取る「ホワイト国」から韓国を除外する方針を維持し、関連の政令改正を8月2日にも閣議決定する方向で調整を続ける。複数の関係者が31日、明らかにした。

タイで開かれている東南アジア諸国連合関連会合に合わせ、米韓両国との3カ国外相会談を2日に行う予定だが、米国から仲介案が示されても受け入れない考え。1日開催を決めた日韓外相会談でも主張の応酬に終始し、平行線が続く見通しだ。(以下略)

ホワイト国からの除外措置は、戦後うやむやだった日韓関係を正常化できるかどうかの試金石になる。日本政府は南鮮に対し、「日本はもう騙されない」、「お前たちの甘えを許さない」という外交姿勢を、戦後初めて見せた。今までの南鮮に対する待遇が、「俺たちは日本が特別配慮すべき国だ」という錯覚を生んだ。掛け違えたボタンはいったん外し、正しい位置で留めなければならない。これをしない限り、日韓関係が普通の二国間の関係になることは不可能だ。

日本政府は、米国の要請があろうとも、対韓政策の転換を推進しなければならない。配慮も慈悲も必要ない。頭でわからない、または分かろうとしない相手には、実体験で教え込むしかないのだ。

コメント


認証コード5303

コメントは管理者の承認後に表示されます。