「批判の応酬となった日韓外相会談 」

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5月23日、河野太郎外相が、訪問先のパリで韓国の康京和外相と日韓外相会談を行いました。

予定を大幅に超え、約1時間20分に及んだ外相会談は、批判の応酬となりました。

河野外相は、韓国外務省報道官が「日本企業が判決を履行するのに何の問題もない」と発言したことを問題視。会談冒頭で「事の重大性を理解していない大変な発言である。こうしたことが日韓関係を非常に難しくしているという事を認識、共有してもらいたい」と非難し、韓国政府に賠償の肩代わりなど具体策を示すよう要求。政府による対応が難しい場合は仲裁委に早期に応じるよう促しました。

これに対し、康外相は「外交当局が賢明に解決しなければならないが、日本側も被害者たちの苦痛と傷を癒やすために共に努力する必要がある」と、日本側に賠償への協力を求める姿勢を示したところ、河野外相は「個人の感情を優先するのではなく、国と国が国際法違反の状況を速やかに是正する必要がある」と反論。

更に、河野外相は「文大統領が責任を持って対応策を考えなければ解決に結びつかない」と批判すると、康外相は「日本側は言動を慎重にするのが重要だ」と反発する、といった有様で、結局、会談は平行線に終わりました。

康外相は「韓日関係全般に否定的影響を及ぼさぬよう、両国外交当局が賢明に解決していく必要がある」と述べたそうですけれども、そのくせ、日韓請求権協定に基づく仲裁委員会の開催を受け入れず、歩み寄りの姿勢はゼロ。自分の言いたい事だけ言って、日本にはそれを全部受け入れろと繰り返すだけ。

上皇陛下への謝罪要求発言、レーダー照射、元徴用工裁判など、ありとあらゆる喧嘩を売っておいて、この態度です。これで日韓関係に否定的な影響がない筈がありません。

批判の応酬だったというだけあって、会談はピリピリしたものだったようで、朝鮮日報は「終始、重く凍りついた雰囲気」だったと報じています。

いずれにせよ、日韓外相会談は事実上決裂した訳で、これで、外相級での解決は不可能だと明らかになりました。

けれども、韓国が、被害者たちの苦痛と傷を癒やすために日本は努力すべきだ、といつもの感情論を主張するのに対し、河野外相が、感情を優先するのではなく、国際法違反を是正するのが先だ、と反論したのは良いこと
です。日本に非はない。非は100%韓国にあると言った結果の決裂であれば、日本の腹は何一つ痛みません。

また、文大統領が解決すべきだと発言したのも当然のことです。

河野外相は、この発言について問われ、韓国の李洛淵総理の「対応には限界がある」発言を受け、それならば総理より上の文在寅大統領が対策すべきだとの趣旨だと答えています。全くその通りです。総理級でも外相級でも無理なら大統領しかありません。

ところが韓国はそれが気に入らないようで、慎重に発言しろ、と反発しました。

河野外相は5月21日にも同じ主旨の発言をしているのですけれども、韓国
側は「外交非礼」だと言ったのですね。国際法違反を起こしておきながら、外交非礼とは片腹痛い、臍で茶が沸騰してしまいます。

聞くところによると、「先進国やアジアの主要国では、韓国の大統領ポストよりも、日本の外務大臣ポストの方が格上だと言う事は常識」だそうですから、これに従えば、「外交非礼」だと騒ぐ韓国がまた非礼を重ねたことになります。

ただ、今回の外相会談が決裂したことで、G20で日韓首脳会談が行われるためのハードルが設定されたと思います。そのハードルとは、徴用工問題の解決に文大統領自らが乗り出さなけれなならないというハードルです。

韓国外相、韓国総理で解決できないのなら、その上の大統領に出ていただくしかないと河野外相が通告した。要するに文大統領が自ら解決する意思を示さない限り日韓首脳会談はないということです。

これまでの韓国の対応を見る限り、この問題で文大統領が解決に乗り出すとは考えられません。これで、G20での日韓首脳会談は限りなく見送りに近づいたといってよいかと思いますね。
 

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