「北朝鮮の手下となって踊る二分間の男、文在寅 「」

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北朝鮮の手下となって踊る二分間の男、文在寅

先日速攻で終わった、米韓首脳会談ですけれども、その内容が少しづつ報じられています。といっても2分のことですから、大した話は出来ていないのですけれども、文在寅大統領が「近く南北首脳会談を推進する計画だ」と説明すると、トランプ大統領が「北朝鮮の立場を可能な限り速やかに知らせてほしい」と応じた程度で、協調して何をどうするというレベルではありません。

また、記者達を前にした会談冒頭のやりとりは、こちらで公開されていますけれども、北朝鮮への制裁緩和はしない。3回目の米朝会談も急がない、と文在寅大統領の希望を悉く否定してみせました。

ここまで釘を刺されてしまっては、流石に文大統領も、その後の2分会談で開城工業団地や金剛山観光の再開は言い出せなかったようです。

文大統領が臨時政府樹立100周年記念行事をすっぽかしてまで米韓首脳会談に臨んだことについて、キヤノングローバル戦略研究所(CIGS)の宮家邦彦研究主幹は「第二回米朝首脳会談が物別れに終わって、韓国からすればモメンタムがまさに消えて行こうとしているわけですから、ここは必死にアメリカとの関係を維持しながら、いままでのラインに戻したい。直接対話をやってトップダウンで決めて行きましょう、南北はちゃんとやりますと、自分の書いたシナリオに戻そうとしているのだと思います」と指摘しています。

けれども、文大統領が韓国を米朝の仲介役として位置づける自身のシナリオに戻したいと思っていても、当の米朝がそう思っていなければ、思い通りにいくものではありません。

既に、アメリカはもとより、北朝鮮にすら見限られている状況です。

4月12日、北朝鮮の金正恩委員長は最高人民会議での演説で、「アメリカが正しい姿勢をもってわれわれと共有できる方法論を探した条件で第3回朝米首脳会談をしようとするなら、われわれとしてももう一度ぐらいは行ってみる用意がある……今後、朝米双方の利害関係に等しく合致し、互いに受け付け可能な公正な内容が紙面に書かれれば、私は躊躇せずその合意文にサインするであろうし、それは全的にアメリカがどんな姿勢でどんな計算法をもって出てくるかにかかっている」とアメリカに秋波を送っています。

その一方、韓国に対しては、「南朝鮮当局は、趨勢を見てためらったり、騒がしい行脚を催促しておせっかいな『仲裁者』『促進者』の振る舞いをするのではなく、民族の一員として気を確かに持って自分が言うべきことは堂々と言いながら、民族の利益を擁護する当事者にならなければならない」と文大統領が思い描く『仲裁者』の立場を真っ向否定しました。

これについて元日経論説委員の鈴置高史氏は、「『米朝の仲介者』のイメージを演出することで国民の支持を集めてきた文在寅政権に対し、『仲介者』の称号を剥奪すると脅し、自分の側に引きつけようとしたのだ」と指摘しています。

筆者は3月26日のエントリー「外交メッセージを発する金正恩と幸せ回路の韓国」で、北朝鮮が先月22日に南北共同連絡事務所から人員を撤収し、「アメリカに対し要求することは要求し言うべきことは言う、当事者の役割を果たさなければならない」という声明を出したことから、金正恩は、韓国に"仲裁者"ではなく、手下として働けと迫ったのだ、と述べましたけれども、やはりそうした狙いは依然持っているようです。

また、アメリカも、最早、韓国に重きを置いてはいません。それは冒頭発言で、ゴルフのマスターズの質問にも軽妙に答えていることからも分かります。見方によっては、大統領の関心は、韓国よりもマスターズの方にあるのだと解釈することも出来ますからね。

先の米韓首脳会談で、南北対話を計画していると説明した文大統領に、トランプ大統領が「北朝鮮の立場を知らせてほしい」と応じたのは、もう文大統領を北朝鮮のメッセンジャーボーイくらいにしか思っていないとさえ匂わせます。

11日の米韓首脳会談について、福井県立大学の島田洋一教授は「事実上、『韓国との首脳会談を拒否した』といってもいいぐらいの対応といえる。2分というのは、通訳の時間を入れたらゼロに近い。文氏は首脳会談前、マイク・ポンペオ国務長官や、ジョン・ボルトン大統領補佐官と会っている。

トランプ氏としては『文氏に伝えるべきことは2人を通じて言ってあるので、首脳会談では具体的なことを話す必要はない』ということではないか」と述べていますけれども、文大統領が会ったのはこの2名だけではありません。

4月11日の午前9時から約50分間、文大統領は、ブレア・ハウスでマイク・ポンペオ国務長官、ジョン・ボルトン大統領補佐官との会談に臨んだのですけれども、この席には、ハリー・ハリス駐韓アメリカ大使、スティーブン・ビーガン北朝鮮政策特別代表、マシュー・ポッティンジャー国家安全保障会議アジア上級部長、アリソン・フッカーNSC朝鮮部長という、安全保障分野のブレーン4人も同席しました。6人と一度に会談したのですね。

一方、韓国政府からは、康京和外相、鄭義溶国家安保室長だけでなく趙潤済駐米大使、金鉉宗国家安保室第2次長、チェ・ジョンゴン平和企画秘書官なども陪席し、六対六の会談となりました。

韓国大統領府は、当初、文大統領はポンペオ長官とボルトン補佐官の2人と会い、非核化案を話し合う予定と発表していたのですけれども、外交消息筋によると、「韓国政府の仲裁案を調整したいという意図だったが、土壇場になって出席者が増えたことにより、緊密な対話が容易でなくなった面もある」と語っていることから見ると、ギリギリで予定を変更し人数を増やしたようです。

その後、文大統領は10時30分から50分間、マイク・ペンス副大統領と接見したのですけれども、このときも、アメリカ側からは5人のブレーンが同席。トランプ大統領との首脳会談後、更に米韓の会談が行われていますけれども、ここでも、韓国側からは鄭義溶・国家安保室長、康京和外相、趙潤済室長が、アメリカ側からはボルトン大統領補佐官、ポンペオ国務長官、ハリス大使が出席する会談となっています。

朝9時からの六対六会談では、アメリカが安全保障分野のブレーン4人を同席させたところを見ると、米韓同盟について何等かの通達が行われた可能性があると思われます。

また、会談に何気にハリス大使が臨席していたことも気になります。というのも、仮に半島有事や、在韓米軍撤退なり、米韓同盟破棄なりといった事態になった場合、現場指揮にあたる駐韓大使の存在が非常に重要になるからです。

あるいは、そうした事態になる可能性も想定したために、駐韓大使同席での会談をしたのではないかとさえ勘繰ってしまいます。

日本は日本で日韓首脳会談見送りの塩対応。それでも文在寅大統領は北朝鮮の手下となって働くのか。”丁寧に無視”される中、一人踊る文在寅。そこには観客はもういません。

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