「2019統一地方選と与野党の思惑」

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2019統一地方選と与野党の思惑

4月7日、全国で統一地方選挙が行われました。

自民党は41道府県議選で総定数2277議席の過半数となる1154議席を獲得。前回1153議席でしたから微増です。ただし、前回定員が2284議席から今回は7議席減ってますから、それを考えると微増でも健闘したといってよいと思います。

ただ、自民が過半数を獲ったといっても、トータルの話で、各県議会別の議席はまた別です。

現に、注目された大阪では維新が圧勝しました。

大阪府知事と大阪市長のダブル選では、知事選が前大阪市長の吉村洋文氏、市長選は前大阪府知事の松井一郎氏が、いずれも初当選といずれも維新が勝利。

大阪府議選も現有40議席を51議席に伸ばしこれも勝利。候補者55人に対し51議席確保ですから、もう圧勝ですね。一方、自民は現有24議席を15議席に減らしています。立てた候補者は38人で、15議席ですから半分以上討ち死にした計算です。

残る大阪市議選は、維新は過半数に届かなかったものの第一党。

吉村氏は当選を決めた7日夜の会見で「都構想への再挑戦に踏み出していきたい」と抱負を話し、松井氏は「都構想に反対の意見も聴きながら丁寧に進めたい」と述べました。

都構想は大阪市を廃止して東京23区のような特別区に再編する制度改革ですけれども、都構想案の是非を問う住民投票の実施には府・市両議会で議決が必要になります。府議会は維新が過半数を確保していますから、あとは市議会で議決できるかです。

過半数の議席がなくても、他党の協力が得られれば、住民投票は可能となりますし、公明党大阪府本部代表の佐藤茂樹衆院議員は「民意を重く受け止めている。大阪都構想への扱いは新しい府市両議会の議員と議論して対応を検討したい」とコメントしています。

ただ、大阪ダブル選の結果については、自民でも見解が分かれています。党は、夏の参院選に向けて危機感を抱く一方、官邸は「憲法改正は維新と協力してやっているから」と悪くない結果だとみているようです。

大阪はまだまだ「維新の嵐」が吹きそうです。

一方、同じ野党でも統一地方選の結果に衝撃を受けているのが立憲民主、国民民主、共産、自由、社民の主要5野党です。

特に唯一の与野党一騎打ちとなった北海道知事選では、この主要5野党が推薦した「野党統一候補」が敗北。当選した鈴木氏が1621171票集めたのに対し、敗れた石川候補は963942票とダブルスコアに近い大差に終わりました。

今回野党は、昨年6月の新潟県知事選で野党共闘を強調し過ぎて敗れたことを教訓に党派色を前面に出さない選挙戦を繰り広げました。

野党陣営の選対事務局は立憲民主党のスタッフが中心となり、連合が手足となってポスター貼りなどを行いました。応援演説も各党幹部がそろったのは3月31日、札幌市内での街頭演説だけ。選挙戦最終日に党首級が北海道入りすることもなく、まるで「ちょっと待て、その候補は元民主」を地で行く選挙戦をしたのですね。

それでも大差で敗れた。しかも、旧民主党系が強いといわれる北海道での敗北です。野党幹部が「共闘しても勝てないのか」と肩を落とす始末。立憲民主党の長妻選対委員長は「野党の力不足でなかなか地域組織が整っていないということで、体力的に擁立できないという地域もある」と敗戦の弁を述べています。

野党の退潮も著しいようです。今回の結果は、与野党とも夏の参院選に微妙な影を落としそうですね。

日比野庵
 

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