「北朝鮮、米朝会談決裂で交渉実務者らを問責」

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北朝鮮、米朝会談決裂で交渉実務者らを問責

ベトナム・ハノイで行われた2回目の米朝首脳会談が決裂したことについて、事前の実務交渉を担当した金赫哲(キム・ヒョクチョル)国務委員会対米特別代表と金聖恵(キム・ソンヘ)統一戦線部統一策略室長だけでなく、首脳会談時に金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の通訳を務めたシン・ヘヨン通訳官も北朝鮮で問責されていたことが5日、分かった。

米朝交渉に詳しい複数の外交消息筋は「北朝鮮はハノイ会談を振り返った後、交渉実務者の問責を実施した。ハノイで金正恩委員長の到着前まで米国側と実務交渉を行った金赫哲特別代表と金聖恵室長、『1号通訳』(金委員長の通訳)としてデビューしたシン・ヘヨン通訳官などを問責した」と語った。

金赫哲特別代表と金聖恵室長が問責されたのは米国側の意向をきちんと把握できていないまま交渉状況報告をしたためだという。

シン・ヘヨン通訳官はハノイ会談時に金正恩委員長とトランプ米大統領のやり取りの通訳ミスで問責されたとのことだ。これら3人のうち、米朝非核化交渉の北朝鮮側実務代表である金赫哲特別代表は当初、北朝鮮内で「重大な責任がある」と取りざたされたが、対外的な面などを考慮して元の所属機関である外務省にひとまず復帰することになったという。

ある外交筋は「今後、特別な事情がない限り、金赫哲氏が再び米朝交渉の代表になるのは難しいだろう」と語った。

北朝鮮側実務代表である金赫哲特別代表と「北朝鮮の対外政策の実力者」と言われる金聖恵室長は今年1月、金英哲(キム・ヨンチョル)統一戦線部長の訪米に同行した。

さらに2月には平壌(6-8日)とハノイ(21-25日)でスティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮担当特別代表ら米代表団に会い、首脳会談直前まで非核化議題を調整した。2月26日の金正恩委員長ハノイ到着直後には、同委員長の宿泊施設で交渉状況を報告した。このため、「ハノイ・ノーディール(no deal=交渉決裂)」直後、韓米情報当局では「これらの人物が問責されるだろう」との見方があったが、実際に問責が行われたということだ。

崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官はハノイ会談が決裂した日の深夜の記者会見で、「(金正恩)委員長同志は今後、朝米(米朝)交渉の意欲を失ったのではないかという印象を受けた」と語った。消息筋は「ハノイ会談失敗で金正恩委員長が受けた心理的なショックと北朝鮮内部の不満を考えると、関係者の問責は行わざるを得ない状況だった」と話す。

 金赫哲特別代表は国務委員会を離れて外務省に復帰したと言われているが、金聖恵室長が具体的にどのような措置になったかは分かっていない。だが、金正恩委員長の通訳を務めたシン・ヘヨン通訳官まで問責対象になったことは、やや意外に受け止められている。シン・ヘヨン通訳官は昨年6月にシンガポールで行われた米朝首脳会談で、トランプ大統領が女性のイ・ヨンヒャン米国務省通訳局長に通訳させたことを意識して、金正恩委員長が自ら起用した人物だとされている。

 複数の外交筋によると、シン・ヘヨン通訳官は米朝首脳会談当日の2月28日、首脳同士の会談を通訳する過程でミスを犯したとのことだ。この会談で合意を見なかったことを宣言したトランプ大統領に、金正恩委員長は「もう1つ話すことがある」と言ったが、シン・ヘヨン通訳官がまだ通訳できていなかった時にトランプ大統領が席を立ったというのだ。外交消息筋は「金正恩委員長からすれば、通訳が決定的ミスを犯したということだ」と語った。

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