「そろそろ仮想通貨の夢から醒める時」

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そろそろ仮想通貨の夢から醒める時。無価値なものに一般人を巻き込んだのは誰か?

ビットコイン価格が大きく下落し、仮想通貨の夢が終わろうとしている。マイニングの赤字化が原因との指摘とともに、実存的危機に直面しているとの声が出てきた。

仮想通貨はベースボールカードのようなもの。売買が減れば暴落へ
マイニング事業が赤字に転落

久しぶりに仮想通貨の話題に触れる。大きな変化が見られるようになったからだ。

ブロックチェーン・ドット・コムによれば、ビットコインのマイニングに利用されるコンピューターの計算力を測る指標のハッシュレートは、過去最高だった8月末から11月24日までに約24%低下した。

ニコラオス・パニギリツオグル氏らJPモルガンのストラテジストは23日付のリポートで、ハッシュレートの低下は「一部の採掘業者で採算が取れなくなる水準にまで価格が下げたことを示唆している」と指摘した。

価格が採掘業者のコスト(電気代やマイニングリグの効率性など)と照らした損益分岐点を下回り続けた場合、業者は事業の閉鎖を迫られる可能性がある。

ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズの16日付リポートによれば、仮想通貨マイニング用半導体の設計などを手掛けるビットメインのマイニングリグ「アントマイナーS9」を利用した1ビットコインの採掘の損益分岐点は7,000ドルと推定される。ビットコインはニューヨーク時間26日午前5時35分時点で3,912ドル。

ビットコイン、存続の危機か
また、バロンズ誌は「ビットコイン、実存的危機に直面」とリポートした。

1年前、ビットコインは米国中の感謝祭ディナーのテーブルで話題の的だった。その祭日の週のわずか3日間で10万人以上が、米国最大の仮想通貨取引所を運営するコインベースで新たに取引口座を作ったという。

ボストン大学で金融工学を教えるマーク・ウィリアムズ教授によると、昨年には大学生が暗号通貨に夢中になっていて、100人ほどいた同教授のクラスの学生のほとんどが、その学期の研究テーマに暗号通貨とブロックチェーンを選んだという。

ところが、『最近はロボアドバイザー事業やピア・ツー・ピア(P2P)レンディング(資金を借りたい人と貸したい人を主としてネット上で結び付ける融資仲介サービス)が人気のある研究テーマで、クリプト(暗号)と関係あるものは、まるでクリプトナイト(スーパーマンの弱点として知られる物質)のように避けられている』と同教授は明かした。

ビットコインは今、実存的危機に直面している。取引したい人がいなくなったらどうなるのか。それまでは機関投資家の取引が増加することで高値を更新すると見込まれていた。

一方で、強気な意見もある。

一段と広まるが、お金の代替にはならない? 不可解な強気意見も

「仮想通貨はさらに広がるが、お金の代替とはならない」との意見
アリアンツの首席経済アドバイザー、モハメド・エラリアン氏は27日、仮想通貨について、今年に入り大幅に値下がりしているが、機関投資家の参入が増えていることから、「仮想通貨は今後も存続し、一段と広まっていくと思う。ただしエコシステムの一部としてで、当初予想されたような主流とはならないだろう」と語った。

「仮想通貨には通貨の本質的属性がなく、おカネの代替とはならない」とし、仮想通貨は通貨ではなく商品(コモディティー)だと強調した。

仮想通貨は「商品(コモディティー)とも言えない」のでは?

不思議なコメントだ。「仮想通貨には通貨の本質的属性がなく、おカネの代替とはならない」としながら、「商品(コモディティー)」の本質的属性もないとは、見なさないのだろうか?

原油、金属、穀物といった商品先物の現物には、どれもが実体経済とつながった実在する生産者や消費者がいるが、仮想通貨にはそうしたものはない。

商品市場が上場させたからといって、商品の本質的属性を得たわけではないのだ。機関投資家のレベルも随分と低下したものだ。

私事になるが、何年か前に、仮想通貨市場を立ち上げるとした方々からお誘いを受けた。海外情報をもとに、月何本かの仮想通貨についてのコメントを書いて欲しいというものだった。

私のキャリアや著書を知っている人たちで、条件の良い報酬も提案してくれた。私は、「仮想通貨には通貨の本質的属性がないので、否定的なコメントをバンバン書いても宜しいのなら」と答えた。

食事の席だったので、その時には「それでも結構ですから、お願いします」と言ってくれたが、それ以降、何年も経つのに音沙汰がない。私の方からも、事実上、断ったつもりなので、連絡を入れていない。

市場を立ち上げたのかどうかも知らない。後日譚を聞きたいものだ。

仮想通貨はベースボールカードのようなもの。一般人を騙すのはよくない

仮想通貨はベースボールカードのようなもの
仮想通貨市場の本質は、バロンズ誌にある「投資家の取引が増加することで高値を更新する」という部分だ。メジャーリーグのベースボールカードのように、高く買う人がいれば、値上がりするのだ。もっとも、ベースボールカードには実体があるので、不正されにくく、手元に保管しておくこともできるところが違う。

市場や金融機関、機関投資家、識者、メディアなどが、「仮想通貨には通貨の本質的属性がないので、否定的なコメントをバンバン書いて」、「投資家の取引が増加することで高値を更新する」と、個人投資家に訴えかけてきたならいい。

極めて投機的なツールとして、キャピタルゲインを狙わせてきたのならば何の問題もない。大損失で世界的には自殺者も多く出たと聞く。

一般人とは見なされないプロ的な人たちが、一般人に「仮想の夢」を、実体のあるものかのように見させていたとすれば、故意であっても、理解不足であっても、やはり問題だ。

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