2018年11月1日よりタイトルをWCA(世界の時事)に変更しました。
「前政権の政策、続々撤回」
前政権の政策、続々撤回=マハティール首相就任1カ月-マレーシア
消費税 政府系ファンド 政権交代
マレーシア総選挙に勝利したマハティール首相(92)が、5月10日に再び首相に就任してから1カ月。
公約に掲げた消費税廃止は早速、今月1日に税率を0%に変更して実現。クアラルンプールとシンガポールを結ぶ高速鉄道計画も中止を表明し、前政権の主要政策を矢継ぎ早に撤回した。
汚職疑惑を抱えるナジブ前首相の捜査も始まり、同国初の政権交代で誕生した新政権の「成果」を国民に示している。
「巨額費用がかかるだけで有益ではない」。マハティール氏は高速鉄道計画を中止する方針を発表した際、ナジブ政権の目玉事業をこう切り捨てた。その後も首都圏の鉄道整備を取りやめるなど、既存の大型事業の見直しを進めている。
新政権が重視しているのは国家財政の立て直しだ。首相は、前政権の放漫な行政運営で国の債務が1兆リンギ(約27兆円)超に上ると指摘。
「国に損害を与えるものがあることを知らなかった」と釈明し、政権発足から100日以内に実施すると訴えた公約の一部を先送りした。
それでも国民の期待は大きい。政府が債務圧縮を目指し、5月末に国民から寄付を募る基金を設けると、8日時点で既に約5200万リンギ(約14億2700万円)が集まった。
政府系ファンド「1MDB」の資金流用疑惑が発覚したナジブ氏の捜査も本格化。
当局はナジブ氏とロスマ前首相夫人を聴取し、関係先から大量の高級ハンドバッグなどを押収した。
マハティール氏は総選挙で勝利後、「報復を求めない」と話したが、ナジブ夫妻の出国を禁じるなど前政権の汚職疑惑の追及には手を緩めない構えだ。