「参加費を払わないランナー」

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マラソン愛好家のハン・テクチュンさん(37)は4月22日、ソウル市内で開かれたマラソン大会に出場し、何度か気分を害したという。

参加費を支払わずにレースに参加する、いわゆる「カッコウ・ランナー」たちのためだ。カッコウは、他の鳥の巣にひそかに卵を産んだ後、逃げだす習性があるため、「無賃乗車」の代名詞となっている。

カッコウ・ランナーたちは正式登録者に与えられる参加番号が背中や腹部に見られないことから、識別は容易だ。

ハンさんは「参加費を支払っていないのに、主催者側が用意した飲料水を飲み、イベント会場のカメラに向かって堂々と『Vサイン』を繰り出す人々をたくさん見た。自分中心のおいしいところ取りにほかならない」と語気を荒らげた。

春先に開催されるマラソン大会で、カッコウ・ランナーが増えている。インターネットのコミュニティーには、有名な大会の終了後にカッコウ・ランナーたちが誇らしげに撮影した多くの写真が掲載されている。

マラソン愛好家たちは、カッコウ・ランナーたちは意欲的な参加者の進路を妨害するケースが多い、と指摘する。大会の主催者側は、道路事情に合わせて参加人数を制限しているが、成り済ましの参加者たちが増えたことで、コースが非常に混雑している、という。

4月29日にマラソン大会に出場したキム・ヨンジさん(28)は「あるカッコウ・ランナーが誰かを待っているのか、しきりに止まっては後ろを振り返るため、集中力が途切れた」と話す。

マラソン歴2年のイ・ジミンさん(26)は「大会ごとに少なくとも10-20人のカッコウ・ランナーを見掛けた。特に記録に関心がないカッコウ・ランナーたちのため、ペースを乱してしまったり意欲が低下してしまったりすることが多い」という。

カッコウ・ランナーたちは、いろいろな手口を使って「ひそかに」参加する。カッコウ・ランナーであることを隠すために、他の大会で使用した参加番号を付けて走ったり、コースの中間からこっそりと隊列に合流したりする。

また、カッコウ・ランナーたちの安全性も問題視されている。フルマラソンでは、万が一の事故に備えて背番号に参加者の緊急連絡先が記載されている。大会に登録せずに参加し、コンディションが悪化した場合、身元の確認に支障を来す恐れがあるのだ。

全国マラソン協会のパク・チョンヒョン本部長は「日本にはカッコウ・ランナーが一人もいないというのに、韓国ではカッコウ・ランナーの占める割合が年々増加している。健全なマラソン文化が定着するためには、市民意識の成熟が必要だ」と力説した。

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