「リベラルが作る息苦しい社会」

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3月27日付当欄で「臆測でお白州に引き出すのか」と題し、臆測や推測レベルの話で執拗(しつよう)に安倍晋三首相の昭恵夫人の証人喚問を求める野党のやり口は、もはや「人権侵害の域」ではないかと書いた。

すると、産経新聞読者サービス室に、千葉市の男性から次のようなメールが届いた。(4月5日の記事を再掲載しています)

「昭恵さんの証人喚問が実現すれば日本の社会に大混乱をもたらすだろう。知らぬ間に隣人や知人に犯罪容疑者にされる恐怖が社会全体に疑心暗鬼を生むからです」

また、千葉県浦安市の男性からは、同室にこんな電話があった。

「臆測で『裁判』にかけられるようになったら自由に意見も言えなくなる。何とかまっとうな世の中になってほしい」

日本社会の現状に深い閉塞(へいそく)感を覚え、今後の日本のあり方についても憂慮しているのが伝わってくる。現代の魔女狩りに、おぞけをふるう人は少なくない。

一方、立憲民主党など野党6党は4日、国対委員長会談を開き、引き続き昭恵夫人らの証人喚問を求めていくことを確認した。野党も多くのメディアも、「何人も有罪と宣告されるまでは無罪と推定される」という近代法の基本原則「推定無罪」などそっちのけで、「推定有罪」を決め込んでいるかのようにみえる。

野党も多数派メディアもこれまで、安倍首相の政治手法を「強権的」だの「独裁的」だの「立憲主義に反する」などと批判してきた。彼らはまた、日頃は人権重視をうたい、弱者や被害者を尊重する姿勢を強調し、売りにしてきた。

ところが、自分たちが攻撃する側に回ると一変し、相手の人権も立場も諸事情もおかまいなしに、大罪人であるかのように石を投げつけるのである。

実際、安倍首相が慰めているものの、昭恵夫人はかなり落ち込んでいると聞く。首相官邸の目の前には、もうずっと首相の似顔絵とともに「売国奴」と書かれた横断幕が掲げられているが、こんな嫌がらせをして何がうれしいのか。

安倍首相は周囲に「左翼は人権侵害が平気だから」と漏らす。ここでいう「左翼」が、日本では「リベラル」を自称していることについては2月22日付当欄「左派のどこが『リベラル』か」で指摘した。

和式「リベラル」のご都合主義と二重基準は度し難いと考えていたところ、米カリフォルニア州弁護士、ケント・ギルバート氏の新著『リベラルの毒に侵された日米の憂鬱』に興味深い記述があった。

それによると、米国の保守的な州では「リベラル」について次のような認識を持つ人が多いそうである。

「腹黒くて、胡散(うさん)臭い」「抑圧的で、批判ばかりで、うっとうしい」「自分たちだけが絶対的正義と考えていて傲慢」「口だけ達者な連中で自分の非を認めない」「身勝手で利己的だから、自分の自由のためなら他人の自由を平気で侵害する」「現実を無視してキレイごとばかりいう」

これらは常々、筆者が和式「リベラル」に対して痛感してきたことだったが、米国でもそうなのかと目からうろこが落ちた。ギルバート氏はこうも記す。

「リベラルが『自由』とは真逆の、『全体主義的で息苦しい社会』を作り出してしまったことについては、残念ながらアメリカは日本よりずっと先に行っています」

このまま日本も息苦しい社会になっていくのは、断固拒否したい。

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