「北朝鮮の戯言と尻尾を振る韓国」

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北朝鮮の戯言と尻尾を振る韓国

4月7日、北朝鮮メディアの朝鮮中央通信は「政治的『島国』は自ら招いたもの」という論評を配信しました。

その論評の全文はこちらで紹介されていますけれども、先日、「北朝鮮との対話を急ぐ必要は全くなく、むしろ北朝鮮に利用されうる」と述べた河野外相を「朝鮮半島の対話の雰囲気に水を差すたわごとをまたもや言い並べて内外の非難をかき立てた」と名指しで批判し、安倍政権の圧力という対北朝鮮政策について「旧態依然とした対朝鮮敵視強硬政策と態度は地域情勢の流れの縁に押し出された島国一族の苦しいたわごとにすぎない」と罵倒しました。

また、日本外交が孤立しているとして「今、日本が大きく懸念している『日本疎外』現象は誰それによってではなく、日本が自ら招いたものである……「地域の要求と大勢を知らなければ政治的にも孤立した「独りぼっちの島国」の運命を永遠に免れないということを日本は知るべきである」と批判しています。

北朝鮮は、アメリカ、韓国に対する批判を控える一方で、日本に対して批判のトーンを強めています。それは、17日からアメリカを訪問する安倍総理がトランプ大統領に圧力路線の継続を求めることについて牽制する狙いがあると見られていますけれども、それだけ経済制裁が効いているということなのでしょう。河野外相を名指し批判するといい、実に分かりやすいですね。

米朝首脳会談を前に、米朝双方は既に激しく牽制しあっています。たとえば、人権問題についてもそうですね。

アメリカは、北朝鮮から米朝会談の打診を受ける前、脱北者らをホワイトハウスに招いて北朝鮮の人権状況を聞いています。カードの一つとして使う思惑があるでしょう。

それに対して北朝鮮は、人権問題に関する論評を立て続けに出して牽制しています。

3月13日、北朝鮮の「労働新聞」は論説で、「帝国主義者は人権裁判官のように振る舞って人権を政治化し、進歩的な国々を選択的に指名攻撃し、圧迫している」とし「国連人権理事会をはじめ国際機関で人権の政治化と二重基準を排撃すべきである。特定の国家が裁判官になり得ない」と批判。

また、3月23日に国連人権委員会が金正恩政権に人権侵害犯罪の中断と責任者の処罰を要求する決議案を採択すると、4月3日、朝鮮中央通信は、「我々に対する政治的挑発であり、対話の雰囲気に逆行する許せない妄動だ」と反発しています。

これについて、デイリーNKジャパン編集長の高英起氏はトランプ大統領に対して「会談で人権問題を取り上げるな」というメッセージだろうと指摘していますけれども、確かにその可能性はあります。人権カードを無効化する、ということですね。

この北朝鮮の自己正当化に韓国は唯々諾々と従っています。

4月4日、韓国の康京和外相は記者会見で、北朝鮮の人権侵害問題には一貫して「強い態度」で臨むとした上で、南北首脳会談で文大統領は北朝鮮の人権問題を取り上げる可能性は低いと述べています。

そして9日には、韓国の趙明均・統一部長官が「政府は今回の会談を必ず成功させ、その成果を基に北とアメリカの会談も実を結ぶよう最善を尽くす……南北が手を握り関連国と共に非核化・平和定着の道を進み始める」とし、「朝鮮半島の冷戦体制を終わらせ、南北が共存して繁栄する新しい歴史を作る」と述べています。

韓国が何を持って南北首脳会談を成功と定義しているのか分かりませんけれども、人権カードを捨て、核開発廃棄を突き付けられるのかどうかも怪しい韓国が、どこまでその役割を果たせるのか。

答えはいずれ出るでしょうけれども、それ程期待はできないかと思いますね。

日比野庵

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