「エジプトの学校に日本式教育」

画像の説明

エジプトの学校に日本式教育 掃除や日直…「公共意識」育て

「日本式教育」モデル校に指定されたカイロの学校で、算数の問題にそろばんを使って答える児童

エジプトの学校で、児童らによる教室の掃除など「日本式教育」を取り入れる試みが進んでいる。「公共」に対する意識や仲間と協力することの大切さを理解してもらうのが目的だ。

日本式教育の海外展開はベトナムやフィリピンなどでも行われており、日本の新たなソフト・パワーとして推進する動きが強まっている。

首都カイロ東部のサーラ・タコイ・アッラー小中学校で12日、小学生の児童約20人に対し、在エジプト日本大使館のスタッフによる日本文化紹介の授業が行われた。

「この山はフジですか、スシですか」。先生役のスタッフが教壇のスクリーンに現れた山を指して尋ねると、児童からは「フジです。スシは食べ物」と元気のよい声が返ってきた。そろばんや武道、日本の四季なども紹介された。

この学校は、「トッカツ」(特活)という科目がある日本式教育のモデル校。児童は教室の掃除やゴミ拾いのほか、責任感を育むため輪番で日直も務める。モデル校はカイロなどに12校あり、近い将来に200校以上に広げるのが目標だ。教員ら育成のための研修も行い、普及を図る。

5年生のファティマ・ザハラーアさん(11)は「トッカツの授業は週1回。(教室などの環境が)清潔であることが重要だと分かったし、自分のことだけでなく、みんなのことを考えるようになった」という。

6年生のホサーム・ガラール君(12)は「以前は自分の部屋はお母さんに言われたときだけ掃除していたけど、今は違う。病気を防ぐためにも道路を掃除したい。まずは道路にごみ箱を置かないと」と話した。

香川剛広・駐エジプト大使は「毎日掃除する習慣が身につき、公共の利益を大切にする精神が養われている、と親や先生たちも評価している。教育は『日本力』の一つだ」として、息の長い協力を目指す方針を示した。

    コメント


    認証コード2620

    コメントは管理者の承認後に表示されます。