「神の杖」

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アメリカが超兵器を開発中であるとの話題がネットに上がっています。

これは、宇宙空間の兵器人工衛星から非常に硬い鋼鉄の槍を地球に投下し、地面に衝突した衝撃で核兵器と同等の爆発を発生させるというもので「神の杖」(Rod of god)」とも呼ばれています。

実はこの手の兵器については随分昔から取り上げられていました。

もう8年も前になりますけれども、2010年1月のエントリー「非核攻撃ミサイル構想(アメリカの新抑止能力について 後編)」で、この「神の杖」について取り上げたことがあります。

当時、取り上げた「神の杖」は、長さ6メートル、直径30センチのタングステンカーバイト棒を衛星誘導を使って秒速3700mで命中。精度は7.5m、貫通能力は地下9mの性能と言われていました。

ただし、これは、CSMミサイルの弾頭に使った場合です。

衛星軌道からの落下となると、その軌道は極端なロフテッド軌道になると考えられますから、速度はもっと早くなるものと思われます。

ロフテッド軌道の弾頭は秒速7キロ以上出るとも言われていますから、仮に「神の杖」を衛星軌道から落下させるとすると、その貫通能力はもっと上がるでしょうね。

ただ、8年前に取り上げたこのSFチックな記事がなぜ今頃取り上げられるのか。

まぁ、これは穿った見方だとは思いますけれども、北朝鮮に対する牽制である可能性も考えられますね。

去年の夏、核実験を強行した北朝鮮に対し、トランプ大統領は「北朝鮮がアメリカを脅かすなら、世界が見たこともないような炎と怒りに直面するだろう」と警告しています。その時は、戦術核による攻撃をも視野に入れているのではないかとも言われていたのですけれども、流石に核兵器の使用は世界的に批判を浴びることも覚悟しなければなりません。

その点、核以外で高い攻撃力を持つ兵器であれば、多少はハードルが低くなります。

北朝鮮の金正恩は、アメリカからの攻撃を恐れ、地下深くに塹壕を造り、そこに隠れているとも言われていますけれども、その意味では地下壕をも破壊し、核汚染の心配もない兵器があるのだぞ、と宣伝することは一定の牽制効果が期待できます。

ただ、実際に軍事攻撃するとなると、「神の杖」といった技術的難易度の高い兵器よりも、爆撃機からバンカーバスターを打ち込んでやるほうがずっと確実でしょう。

金正恩は、米韓軍事演習を酷く嫌がっている事を考えれば、たとえ「神の杖」が今の段階では、牽制以上のものにはならないとしても、絶えず北朝鮮にプレッシャーをかけ続けることは非常に大事だと思いますね。

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