「「空理空論の言葉遊び、無責任発言」の批判も」

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立憲民主・山尾志桜里氏の「立憲的改憲」って何だ 「空理空論の言葉遊び、無責任発言」の批判も

現実的な改憲案を示すことこそ、野党第1党に求められている

立憲民主党の山尾志桜里衆院議員が新年早々、「立憲的改憲」との立場で発信を強めている。民放番組で、日本が行使できる自衛権を「個別的自衛権」に限定し、憲法に明記すべきだと訴えたのだ。集団的自衛権の限定的行使を認める「安全保障法制」を否定する内容だが、北朝鮮の脅威が増すなか、日本と東アジアの平和と安定を確保できるのか。(夕刊フジ)

「憲法に自衛権の存在を可視化して、統制をがんじがらめにかけていくことが大事だ」

山尾氏は4日のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」に出演し、こう語った。ダブル不倫疑惑から、吹っ切れたような表情だった。

山尾氏が「可視化」を主張する自衛権は、日本が武力攻撃を受けた際に行使できる「個別的自衛権」のことだ。「(憲法に)専守防衛の精神を具体的に書き込む。自衛権を制約・統制し、平和主義の価値をよみがえらせる」とも語った。

立憲民主党は「いかなる権力も憲法によって制約される」立憲主義を旗印に、武力行使の要件を見直した2014年の閣議決定に基づく安保法制を「違憲」としている。

14年の閣議決定は、日本を取り巻く安全保障環境の変化を踏まえ、日本が攻撃を受けていなくても、一定条件のもとに必要最小限度の実力行使を認めている。立憲民主党によると、この見解が、「集団的自衛権は行使できない」としてきた従来の政府の憲法解釈から「逸脱し、立憲主義に反する」という。

番組では、山尾氏の主張を「護憲的改憲案」と理解困難な紹介をしていたが、もともとの「立憲的改憲」とは、14年閣議決定前の政府の憲法解釈にさかのぼり、集団的自衛権を行使できないように、自衛権の制約を明文化する考え方のようだ。

実際、山尾氏は番組で、集団的自衛権の行使に関し「わが国に対する武力攻撃を前提としていない以上、認めない」と否定し、「『わが国に対する』などの解釈を柔軟にすることで、個別的自衛権で対応できる」と話した。

立憲民主党などの野党は、安保法制の成立により、「自衛隊が地球の裏側まで行って、戦争ができる」と反発する。

しかし、日本が攻撃を受けていない場合の武力行使には、「わが国の存立」が脅かされる明白な危険があるなどの「新3要件」が課されている。

政府も、他国防衛のための集団的自衛権は行使できないという立場を維持しており、地球の裏側で戦争するという主張は、非現実的だ。

集団的自衛権の限定的行使すら認めず、「専守防衛」を強調する山尾氏の主張を、どう受け止めるべきか。

評論家の八幡和郎氏は「空理空論の言葉遊びだ」といい、続けた。

「北朝鮮が国際社会の警告を無視し、『核ミサイル』を実戦配備しようとしている国際情勢にそぐわず、妥当性がない。個別的自衛権にこだわって『専守防衛』に固執するなら、現在よりはるかに過大な防衛力が不可欠になる。

北朝鮮を抑止する核武装を訴えるわけでもなく、『殺される方がマシ』と割り切るわけでもない。無責任な発言は慎むべきではないか」

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